2025年の夏、**学校がかなり暑い(教室内の高温化や熱中症リスクの増大)**背景と、その対策について、校舎構造や教育現場の特徴を踏まえて詳しく解説します。
■ 学校がかなり暑い原因
1. 気候変動による外気温の上昇
- 地球温暖化により、全国的に猛暑日(35℃以上)や熱帯夜が増加。
- とくに夏休み前(6〜7月)や再開直後(8月末〜9月)の授業中に室温が35℃前後に達するケースも多くなっています。
2. 校舎の構造が高温化しやすい
- 多くの学校は鉄筋コンクリート造で断熱性が低く、夏は熱がこもりやすい。
- 南向きの大きな窓から直射日光が差し込み、室内の温度が上昇。
- 特に3階以上の教室や屋上直下の教室は温度が高くなりやすい。
3. 冷房設備が不十分または不平等
- 公立小中学校では、まだ一部の地域で冷房が未整備・老朽化している学校もある。
- 教室には冷房があるが廊下・体育館・トイレにはないというケースも多い。
4. 熱がこもる生活環境
- 授業中に窓やドアを閉め切っていることが多い(騒音・防犯対策)。
- 体育の授業、部活動、通学などで屋外に長時間いることも多く、熱疲労が蓄積しやすい。
5. 子どもは暑さに弱く、熱中症の危険が高い
- 児童・生徒は体温調整機能が未熟で、暑さに対する耐性が低い。
- 水分補給を自分の判断で行いにくい年齢でもあるため、周囲の配慮が重要。
■ 学校の暑さ対策
【1】教室・建物での物理的対策
- 冷房(エアコン)を全教室に整備し、温度は26〜28℃を目安に調整。
- 遮光カーテンや断熱フィルム、すだれを導入して日射をカット。
- 扇風機やサーキュレーターで空気を循環させる。
- **グリーンカーテン(つる性植物)**を窓に設置して、自然な遮熱を実現。
【2】校庭・体育館・通学環境の対策
- 校庭や体育館にも**ミスト装置や簡易冷却スペース(テントなど)**を設置。
- 登下校時の暑さ対策として、**帽子・水筒持参・登下校時間の調整(早朝登校など)**を実施。
- 体育や部活動は気温や暑さ指数(WBGT)を見て中止・短縮する。
【3】ソフト面(指導・制度)での対策
- 児童・生徒への熱中症教育の強化:水分補給のタイミング、暑さ指数の意味など。
- 教師による見守り強化:顔色の変化や「だるさ」「頭痛」「ボーッとしている」などの異変に気づく体制。
- 暑さ指数(WBGT)に基づく行動基準を全教職員で共有し、記録・判断を徹底。
【4】保護者・地域との連携
- 家庭からの冷却グッズ(保冷タオル、ネッククーラー)の持参許可。
- 地域の医療機関や自治体と連携した救急体制の整備。
- 自治体による補助金や設備更新への支援を積極的に受ける。
■ 取り組み事例(日本国内)
地域 | 取り組み |
---|---|
東京都 | 都立高校で体育館に大型冷風機を導入し、冷房整備率100%を達成 |
愛知県 | 県内全ての小中学校でエアコン整備を完了。暑さ指数掲示を徹底 |
熊本市 | 通学路にミスト装置を試験設置し、夏期登校の快適化を図る |
京都市 | 小学校の授業で熱中症対策教育を年間カリキュラムに組み込み |
■ まとめ
観点 | 内容 |
---|---|
主な原因 | 地球温暖化、校舎の構造、冷房未整備、屋外活動の多さ |
特有の問題 | 子どもが暑さに弱く、症状を訴えにくいこと |
物理的対策 | 冷房・遮光・ミスト・緑化・換気・水分補給 |
制度的対策 | WBGT活用、授業内容調整、保護者との連携、教育強化 |
長期的課題 | 校舎の断熱化・再整備、地域格差の是正、予算確保 |
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