セキュリティの高いタワーマンション(タワマン)でも、不審者に侵入されるリスクはゼロではありません。最新の防犯システムを備えたタワマンでも、さまざまな手口を用いた侵入が発生する可能性があります。以下に、侵入のリスクとその手口について詳しく解説します。
1. タワマンのセキュリティシステム
多くの高級タワマンでは、以下のような高度なセキュリティ対策が導入されています。
- オートロック&ダブルオートロック:エントランスとエレベーターホールの二重ロック
- 防犯カメラ:共用部やエントランス、エレベーター内などに多数設置
- コンシェルジュや警備員の常駐:有人管理による防犯体制
- エレベーター制御:住戸階以外へはアクセスできない仕組み
- 指紋認証・顔認証:住民専用の認証システム
しかし、これらのシステムがあるにもかかわらず、侵入リスクは完全には排除できません。
2. タワマンに侵入する手口
(1) 住民・関係者を装う手口
- 住民になりすます
- 住民の後をつけてエントランスを通過(共連れ)
- 知人や親族を装って住民に同行
- 落とし物をしたと嘘をついてエントランスを開けてもらう
- 宅配業者・修理業者を装う
- 宅配業者や水道・電気業者を名乗ってエントランスを通過
- 偽のユニフォームやIDを使用して警備員を欺く
(2) 住民の協力を悪用する手口
- 合鍵の不正入手
- 住民や管理人が落とした鍵を拾って侵入
- 合鍵を作成するために一時的に鍵を盗む
- レンタル・サブリースを利用
- 短期賃貸を装って部屋を借り、その後不審者を呼び込む
- Airbnbのようなサービスを悪用し、犯罪の拠点として利用
(3) 設備の脆弱性を突く手口
- エレベーターのセキュリティ抜け穴
- 住民が乗ったエレベーターに一緒に乗り込む(共乗り)
- 一部のエレベーターではボタン操作で他の階に行ける場合がある
- 駐車場や非常階段を利用
- 駐車場ゲートの開閉時に侵入
- 非常階段のドアが施錠されていない場合、そこから侵入
- 屋上やバルコニーを伝っての侵入(低層階では特にリスクが高い)
(4) 内部協力者を利用する手口
- 住民の中に犯罪関係者がいる
- 反社会勢力や犯罪グループが部屋を借り、犯罪拠点として利用
- 内部情報を外部に流す協力者がいる可能性
- 管理業者・警備員の内部不正
- 清掃業者や警備員が犯罪に加担し、不正に情報を提供
- セキュリティの甘い時間帯(交代時や深夜)を狙う
3. 侵入リスクを減らすための対策
(1) 住民ができる防犯対策
- 共連れに注意する:知らない人が後ろにいないか確認
- オートロックを過信しない:ドアが完全に閉まるのを確認
- 不審な人物を見かけたら通報する:警備員や管理人にすぐ報告
- 宅配便の受け取りに注意:玄関ドア越しに受け取る、不審な配達員は管理会社に確認
- 合鍵の管理を徹底:鍵を落とさない、貸さない、預けない
(2) 管理会社や警備会社ができる防犯強化
- AI監視システムの導入:不審な動きを自動検知するシステムを活用
- 警備員の巡回強化:夜間や休日に重点的に巡回
- ゲストの入館管理の厳格化:訪問者の事前登録を義務付ける
4. まとめ
タワマンはセキュリティが高いとはいえ、不審者が侵入するリスクは存在します。特に、住民や管理者の意識の隙をついた手口が多く、内部関係者の関与があるケースもあります。
防犯意識を高め、住民自身が日々の対策を徹底することで、より安全な居住環境を維持することが重要です。
コメント