社用車の自賠責保険が期限切れだった場合の問題点は?原因と対策を解説

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社用車の自賠責保険が期限切れになった場合の問題と対策

社用車の自賠責保険が切れたまま運行すると、重大な法的責任や企業リスクを伴うため、適切な管理が必要です。本記事では、自賠責保険の期限切れによって発生する問題、原因、そして防止策を詳しく解説します。




1. 自賠責保険が切れていると発生する問題

(1) 法的な問題

① 道路交通法違反(無保険運行)

自賠責保険が切れた状態で公道を運転すると、道路交通法違反(無保険運行)となります。
これは車検切れよりも重い罰則が適用されるため、特に注意が必要です。

1年以下の懲役または50万円以下の罰金

違反点数6点(即免許停止)


また、自賠責保険が切れていると車検も通らないため、同時に**無車検運行(6か月以下の懲役または30万円以下の罰金)**の違反が適用される可能性があります。
これらが重なると、合計で違反点数12点となり、**免許取消(最低90日以上の免停)**の対象になることもあります。

② 会社の使用者責任

社用車の場合、運転者だけでなく、会社(使用者)も責任を問われることになります。
具体的には以下の責任が発生します。

両罰規定の適用(会社にも罰金が科せられる)

管理責任(業務上過失責任を問われる可能性)

企業コンプライアンス違反(社会的信用の失墜)


特に、運送業やタクシー業などでは、営業許可の取り消しや業務停止命令が下される可能性があります。




(2) 事故を起こした場合のリスク

① 被害者への賠償が全額自己負担

自賠責保険は対人賠償(ケガ・死亡)のみ補償する強制保険ですが、これが切れていると、事故を起こした際に被害者への補償を全額自己負担しなければなりません。

▶ 自賠責保険の補償額

死亡事故:最大3,000万円

後遺障害:最大4,000万円

傷害(治療費・休業損害など):最大120万円


これらの金額は、あくまで自賠責保険が適用された場合の補償上限です。
しかし、自賠責保険が切れていると1円も支払われず、加害者(運転者・企業)が全額負担することになります。

② 任意保険も適用外

多くの任意保険(対人・対物保険)は、自賠責保険の加入を前提としているため、
自賠責保険が切れていると「保険契約の条件違反」とみなされ、任意保険も適用されないケースが多いです。

対人賠償:被害者の治療費・慰謝料が全額自己負担

対物賠償:相手の車や建物の修理費も全額自己負担

裁判になった場合:弁護士費用なども自己負担





(3) 企業経営・業務への影響

① 企業の信用低下

社名入りの社用車が自賠責保険切れで摘発されると、ニュースやSNSで広まり、企業の信用が大きく損なわれるリスクがあります。

② 業務の停止

車両が運行できなくなることで、配送・営業・訪問業務が停止し、売上に影響が出る可能性があります。
特に、運送業やタクシー業では、営業許可の取り消しや行政処分の対象になることも考えられます。




2. 自賠責保険の期限切れが発生する原因

(1) 車両管理の不備

自賠責保険の満了日を記録していない

車検と自賠責保険を別々に管理している

管理担当者が変更になり、引き継ぎが不十分


(2) 確認不足やうっかりミス

「まだ大丈夫」と思い込み、更新を忘れる

運転者が自賠責保険の有効期限を確認していない

複数台の車両を管理していて、更新の漏れが発生


(3) 経費削減のための意図的な未更新

コスト削減のために自賠責保険の更新を先延ばしにする

社用車を廃車予定だったが、手続きが遅れて放置される





3. 自賠責保険の期限切れを防ぐための具体的な対策

(1) 車両管理システムの導入

全社で車両管理台帳を作成

自賠責保険の満了日を一覧化し、一元管理

保険満了の1~2カ月前にアラート通知を設定


(2) 定期的なチェック体制の構築

毎月1回、全車両の保険証書を確認

運転者にも「保険証書携帯の義務」を徹底

新規契約・更新時には管理部門が必ず確認するルールを策定


(3) 会社全体での意識向上

社員研修で「無保険運行のリスク」を周知

車検と自賠責保険をセットで管理するルールを徹底

「無保険運行は会社の重大なコンプライアンス違反」としてルール化


(4) 代理店・保険会社との連携

保険会社と契約し、自動更新を設定

更新時期に代理店から通知が届く仕組みを利用

定期的に担当者が確認できる体制を整備





4. もし自賠責保険が切れてしまったら

自賠責保険が切れていることに気づいたら、絶対に公道を運転しないことが最優先です。

(1) 車を移動しない

期限切れの車は公道で運転できないため、会社敷地内に留めるか、レッカーで移動させる。

(2) 速やかに自賠責保険に加入

最寄りの保険代理店・コンビニ・ディーラーなどで即日加入

加入手続き完了後に車検手続きを実施





まとめ

社用車の自賠責保険切れは、違反による刑事罰・事故時の高額賠償・企業の信用失墜など、極めて深刻な問題を引き起こします。
適切な管理体制を整え、保険期限の確認・更新を徹底することが重要です。
もし期限が切れてしまったら、絶対に運転せず、速やかに加入手続きを行いましょう。

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