真冬の海に投げ出された場合、命が危なくなる時間の目安
冷水による致命的なリスク
1. 冷水ショック(0~3分以内)
冷水に突然投げ出されると、呼吸困難や過呼吸、心停止のリスクがあります。水温が低いほどリスクが高まり、5℃以下の水では致命的です。
対応策:顔を水面上に保ち、呼吸を整える
まず、パニックを避けることが最優先です。息を吸う際に水を飲み込むと窒息のリスクがあります。
2. 筋肉機能低下(5~15分以内)
手足の筋力が低下し、泳ぐことが困難になります。これにより、溺れるリスクが急激に高まります。
対応策:無理に泳がず浮力を保つ
体力を温存するために、できるだけ動かずに浮力を確保します。
3. 低体温症(15~60分以内)
水温が5℃以下の場合、15~30分で体温が危険なレベルまで低下し始めます。
対応策:体温を保つ姿勢を取る
手足を体の中心に近づける「HELP姿勢」をとり、体温をできるだけ逃がさないようにします。
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岸が近い場合の行動
岸まで100m以内
1. 落ち着いて呼吸を整える
最初にパニックを避け、冷水ショックを乗り切るために、ゆっくりと呼吸を整えます。
2. 背泳ぎまたは平泳ぎで泳ぐ
無理に速く泳ごうとすると体力が急激に消耗します。背泳ぎや平泳ぎでゆっくり泳ぎ、波や流れを利用して進みます。
3. 服を脱がない
衣服は浮力を保つ助けになります。服を脱ぐと体温が急速に失われるため、脱がないほうが安全です。
4. 海流を確認
流れが岸に向かっている場合はそのまま泳ぎますが、流れが逆の場合は無理に岸に向かわず、浮力を保ちながら流れが弱まるのを待ちます。
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岸が遠い場合の行動
岸まで数百メートル以上
1. 浮力を保つ
無理に泳がず、体を仰向けにして浮かびます。体力を温存し、救助を待つ時間を稼ぎます。
2. HELP姿勢を取る
頭を水面から出し、手足を体の近くに引き寄せます。これにより体温の放散を防ぎます。
集団でいる場合は「ハドル姿勢」(皆で円を作り体を密着させる)を取ると、さらに体温低下を防げます。
3. 体力温存を最優先に
泳ぐことで体力を消耗すると、低体温症のリスクが高まります。救助が来るまで、できる限り動かずに体力を温存します。
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注意すべきポイント
救助が見えた場合
手を振ったり、大声を出すよりも、浮力を保ち、目立つような姿勢を取ることが重要です。体力を温存し、助けを待ちます。
夜間や視界が悪い場合
より一層の体温保持が重要です。HELP姿勢をとり、体力を使い切らないよう注意します。
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水温別の生存可能時間(目安)
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まとめ
1. 岸が近い場合はゆっくり泳ぐ
焦らず、浮力を保ちつつ呼吸を整えながら岸を目指す。
2. 岸が遠い場合は浮かび続ける
体温保持を最優先にし、体力を温存する。
真冬の海は非常に危険な環境ですが、落ち着いて適切な行動を取れば、生存率を高めることができます。
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