以下では、第二種換気の住宅が「寒く・気温が低く感じる」理由を構造面から整理し、有効な対策/暖房を使っても暖まらない場合の対処法/よくある失敗談まで、実務レベルで詳しく解説します。
1. 第二種換気住宅が寒くなりやすい主な原因
① 給気が機械、排気が自然=冷気侵入リスクが高い
第二種換気は
- 給気:機械(強制)
- 排気:自然(隙間・排気口)
という方式です。
👉 室内は**正圧(外より気圧が高い)**になりやすい一方で、
- 排気経路が不明確
- 隙間や弱い部位から外気が引き込まれる
- 壁体内・床下・天井裏を経由した「冷たい空気の回り込み」
が起こりやすく、体感温度が下がる原因になります。
② 排気がコントロールできず、熱が逃げる
自然排気は
- 風が強い日
- 外気温が低い日
ほど排気量が増え、せっかく暖めた空気が勝手に抜ける状態になります。
特に冬は
- 南面:暖かい
- 北面・隅:冷える
という温度ムラが発生しやすいです。
③ 熱交換換気でないケースが多い
第二種換気は
- 医療施設・クリーンルーム用途が中心
- 住宅では熱交換なしが多い
ため、
👉 外気がそのまま低温で入る
👉 暖房が常に「冷気と戦う」状態
になります。
④ 気密不足だと「正圧」が逆効果
第二種換気は高気密が前提です。
しかし実際には
- C値が高い(隙間が多い)
- コンセント・配管周りが未処理
だと、
- 正圧で壁体内に空気が押し込まれる
- 冷えた壁・床・天井が冷却される
👉 家全体が底冷えする
という現象が起きます。
2. 寒さを感じる時の具体的な対策
① 給気温度を下げない工夫
- 給気口に簡易プレヒーターを設置
- 給気ダクトを断熱材で巻く
- 冬だけ給気量を最小限に調整
👉 「冷気を入れない」より「冷やさない」が重要。
② 排気経路を明確にする
- 排気口の位置を再確認
- 北側・床下・天井裏への抜けを防止
- 不要な隙間を気密テープ・気密パッキンで封止
👉 排気が「想定外ルート」から出ていると寒くなります。
③ 暖房方式を第二種換気向きに変更
相性が良い暖房:
- 床暖房(正圧でも足元が冷えにくい)
- 全館空調
- 低温放射型エアコン
相性が悪い:
- 石油ファンヒーター(換気負荷増)
- 局所暖房のみ(温度ムラが拡大)
④ サーキュレーションを徹底
- 天井付近に溜まった暖気を循環
- 吹き抜け・階段ホールに送風
👉 第二種換気は「空気が動きやすい」ため、攪拌しないと冷えます。
3. 暖房を使っても暖まらない時の対処法
① 換気を一時的に「弱」に落とす
- 冬の朝晩だけ給気量を下げる
- 連続運転は維持(停止はNG)
👉 換気を止めるより「抑える」が正解。
② 室温ではなく「床・壁温」を疑う
- 床が冷たい → 体感温度が下がる
- 壁が冷たい → 放射冷却で寒い
対策:
- ラグ・断熱マット
- 家具を壁から5cm離す
- 北面に厚手カーテン
③ 気密測定(C値)を再チェック
- C値1.0以下が理想
- 2.0以上なら寒さの原因になりやすい
👉 第二種換気で寒い家の多くは気密不足です。
4. よくある失敗談(リアル)
失敗談①「正圧=暖かいと思っていた」
空気を押し出すから寒くないと思った
→ 実際は壁の中が冷え、家全体が冷却
失敗談②「換気を止めたら余計寒くなった」
寒いから換気停止
→ 湿気が溜まり、壁・床が冷えやすくなり逆効果
失敗談③「エアコン能力不足を疑わなかった」
高断熱だから小さいエアコンで十分と思った
→ 実際は換気による熱損失が想定以上
失敗談④「給気口の位置を軽視した」
見た目重視で北側・足元に設置
→ 冷気直撃で常に寒い部屋に
5. まとめ(結論)
第二種換気住宅が寒い原因は、
**断熱ではなく「空気の扱い方」**にあります。
重要ポイント:
- 正圧=暖かい、ではない
- 気密・給排気設計が命
- 暖房+換気+循環の三位一体が必要
👉 第二種換気は設計と運用が合えば快適ですが、
👉 少しズレると「暖房しても寒い家」になりやすい方式です。


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