一見すると矛盾しているようですが、「断熱が効いているはずの家なのに寒い」というケースは実際かなり多いです。
ここでは、断熱住宅が寒く感じる本当の原因から、暖房を使っても暖まらない時の具体策・対処法、そしてよくある失敗談まで、仕組みを分解して詳しく解説します。
1. 断熱が効いた家なのに寒い主な原因
① 断熱は「逃がさない」だけで「暖める」力はない
まず大前提として重要なのはこれです。
- 断熱=熱を外に逃がしにくくする
- 断熱=家を自動的に暖かくする
ではありません。
👉 最初に十分な熱が入っていなければ、断熱が良くても寒いままです。
特に
- 朝一番
- 帰宅直後
- 夜間に暖房を切っていた後
は「冷えた空気をそのまま閉じ込めている」状態になります。
② 気密が高すぎて空気が循環していない
高断熱住宅は同時に高気密なことが多いです。
その結果、
- 暖かい空気が一部に溜まる
- 冷たい空気が床付近に滞留
- 部屋ごとの温度ムラが大きい
👉 暖房を入れても体感が寒い状態になります。
③ 換気(24時間換気)で熱が奪われている
断熱住宅では24時間換気が必須ですが、
- 給気口から冷気が直接入る
- 換気量が多すぎる
- 給気位置が悪い
と、暖房で作った熱を常に外へ捨てている状態になります。
特に
- 窓上・足元付近の給気口
- 風が強い日の北側
は体感温度を大きく下げます。
④ 床・基礎・窓が想像以上に冷たい
「断熱が効いている」と言っても、
- 床下断熱が弱い
- 基礎断熱が不十分
- 窓の性能が壁より低い
と、足元・窓際から強烈に冷えます。
👉 人は空気温度より床・壁・窓の表面温度に強く影響されます。
⑤ 暖房の種類が断熱住宅と合っていない
高断熱住宅と相性が悪い例:
- エアコン1台で全館を暖めようとする
- 暖房をこまめにON/OFFする
- 部分暖房だけで済ませる
👉 「少しずつ・安定的に暖める」運用ができていないケースが多いです。
2. 暖房を使っても暖まらない時の対策・対処法
【最優先】家全体を「冷え切らせない」
● 暖房は「弱くても連続運転」
- 強→OFF→寒い→強
ではなく - 弱〜中でつけっぱなし
👉 断熱住宅は立ち上げより維持が得意です。
【即効性が高い】空気を動かす
● サーキュレーター・扇風機を併用
- 天井に溜まった暖気を下へ
- 床の冷気を拡散させない
👉 エアコン単体より体感温度が一気に改善します。
【換気対策】冷気の直撃を防ぐ
- 給気口に風向き調整フード
- 給気口下に家具を置かない
- 直接人に当たらない配置に変更
※ 換気自体は止めないこと(結露・空気汚染の原因)
【床・足元対策】ここが一番効く
- 厚手ラグ・カーペット
- 断熱シート
- 室内用スリッパ
👉 空気温度が同じでも体感は大きく変わります。
【窓対策】断熱住宅でも必須
- ハニカムスクリーン
- 断熱カーテン
- 内窓(簡易タイプでも可)
👉 窓は最大の熱逃げポイントです。
3. 断熱住宅で本当に多い失敗談
失敗談①「断熱がいいから暖房はいらないと思った」
新築なのに想像より寒い…
原因
- 初期加熱不足
- 暖房能力の過信
👉 断熱=暖房不要ではありません。
失敗談②「設定温度を上げ続けた」
25℃にしても寒い
実際は
- 足元が冷たい
- 空気が循環していない
- 窓・床が冷えている
👉 温度設定より空気・床・窓対策が先です。
失敗談③「こまめに暖房を切った」
節約のつもりでON/OFF
結果
- 家全体が冷え切る
- 再加熱に大量の電力
- 体感はずっと寒い
👉 **断熱住宅ほど“つけっぱなし向き”**です。
失敗談④「床暖房があれば大丈夫だと思った」
空気が寒い…
理由
- 床は暖かいが
- 空気循環がない
👉 床暖房+空気循環がセットです。
4. まとめ(重要ポイント)
- 断熱住宅が寒いのは
👉 断熱の問題ではなく「運用」と「熱の入れ方」 - 暖房が効かない時は
👉 連続運転・空気循環・足元対策が最優先 - 我慢や誤った節約は
👉 寒さも光熱費も悪化
断熱が効いた家は、
**正しく使えば「少ないエネルギーで安定して暖かい家」**になります。


コメント