ベネズエラとアメリカ(米国)の関係は、協力 → 対立 → 制裁と部分的緩和という大きな振れ幅を持つ、ラテンアメリカでも特に複雑な二国関係です。
ここでは 歴史・政治・経済(石油)・制裁・現在の関係 の順で、体系的に解説します。
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① かつては「友好国」だった(〜1990年代)
石油を軸にした協力関係
ベネズエラは世界有数の石油埋蔵国
20世紀後半まで、
ベネズエラ=親米・民主国家
アメリカ=最大の石油購入国
という関係だった
米系石油会社(エクソン、シェブロンなど)が多数進出
👉 冷戦期も、ベネズエラは反共・親米陣営に属していた
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② 決定的な転換点:チャベス政権(1999〜2013)
ウゴ・チャベスの登場
1999年に大統領に就任した ウゴ・チャベス が、関係を一変させます。
チャベスの思想
「反米・反新自由主義」
社会主義(ボリバル主義)
国有化の推進
アメリカを「帝国主義」と公然と批判
アメリカとの対立激化
米国企業の石油資産を国有化
イラン、ロシア、中国、キューバと接近
国連で米大統領を名指し批判することも
👉 この時期から 米国はベネズエラを「敵対的国家」と認識
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③ マドゥロ政権と完全対立(2013〜)
ニコラス・マドゥロ政権
チャベス死去後、後継の ニコラス・マドゥロ が政権を継承。
問題点
不正選挙疑惑
野党弾圧
報道統制
人権侵害
経済崩壊(ハイパーインフレ)
米国の対応
マドゥロ政権を独裁政権と認定
制裁を段階的に強化
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④ アメリカの制裁内容(非常に重要)
主な制裁
🛢 石油制裁
ベネズエラ産原油の輸入禁止
国営石油会社(PDVSA)を制裁対象に
💰 金融制裁
米国金融機関との取引禁止
ベネズエラ政府資産の凍結
👤 個人制裁
マドゥロ大統領本人
高官・軍幹部・裁判官など
👉 国家の外貨収入が激減 → 経済崩壊が加速
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⑤ 「二重政権」問題(2019年〜)
フアン・グアイド暫定大統領
2019年、野党指導者 フアン・グアイド が
> 「選挙は不正。自分が暫定大統領だ」
と宣言。
米国の立場
アメリカは グアイドを正統な大統領として承認
マドゥロ政権を「不正政権」と断定
👉 この時期、
米国とベネズエラは事実上の敵対国
※ その後、グアイドの影響力は低下
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⑥ 最近の変化:完全対立から「条件付き対話」へ(2023〜)
なぜ関係が少し変わった?
世界情勢の影響
ロシア制裁(ウクライナ戦争)
世界的なエネルギー不足
中東情勢不安
👉 米国は「石油供給の多角化」を必要とした
制裁の一部緩和
条件付きで
米石油企業がベネズエラで限定的に活動可
民主化・選挙改善が前提条件
⚠️ ただし:
制裁が完全解除されたわけではない
米国は今もマドゥロ政権を正式承認していない
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⑦ 現在の関係(2025年時点の整理)
分野 状態
外交関係 形式的に断絶・極めて限定的
政治 強い不信・対立継続
経済 石油を中心に部分的接触
軍事 敵対的(ロシア接近を警戒)
人権 米国は強く非難
👉 「敵対を続けつつ、現実的な利害で最低限の接触」
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⑧ なぜ和解しないのか?
アメリカ側の理由
独裁・人権侵害を容認できない
ロシア・中国の影響拡大を警戒
国内政治(対社会主義)
ベネズエラ側の理由
反米は政権正統性の柱
制裁を「米国の陰謀」と宣伝
権力維持を最優先
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⑨ 関係がベネズエラ国民に与えた影響
経済制裁 → 物資不足・貧困拡大
数百万人規模の国外脱出
医療・電力・治安の崩壊
※ ただし、
経済崩壊の原因は制裁だけでなく、長年の政策失敗も大きい
というのが国際的な共通認識です。
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🔚 まとめ(超要点)
かつては 親米・石油同盟国
チャベス以降 反米路線で決裂
マドゥロ政権下で 制裁と敵対が固定化
近年は 石油を理由に限定的対話
和解には
民主化・選挙・人権改善 が不可欠
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もし興味があれば、
「なぜアメリカはベネズエラ政権転覆を狙ったのか」
「制裁は正しかったのか?賛否両論」
「ロシア・中国との関係」
なども、さらに深く解説できます。
ベネズエラとアメリカの関係は?なぜ攻撃される?
疑問

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