美里町(宮城県遠田郡)におけるクマ(ツキノワグマ)出没の可能性と対策
「いるのか」「多い時期」「危険性」「駆除すべきか」「対策」という流れで、できるだけ詳しく整理します。
1) 美里町にクマはいるのか?
少なくとも「目撃情報」が出ており、クマが全くいない地域とは言えない状況です。具体的には次の通りです:
- 美里町役場のウェブサイトにて、2023年9月23日付で「鳥谷坂地区内においてクマの目撃情報がありました。早朝の外出など特に注意してください」という告知があります。
- また、宮城県全体でも出没・目撃の報告が増えており、「出没シーズン予報」で該当期間に“平年より出没が多い見込み”とされています。
→ したがって、美里町では「クマが生息・通行している可能性が十分にある」と考えておくのが適切です。
2) 多い時期・出没しやすい時期はいつか?
美里町および宮城県のデータから、出没の多い時期や警戒すべき時間帯を整理します:
- 宮城県では「4月〜11月(春〜秋)にかけてクマの出没が増える傾向にある」と警報・注意喚起が出ています。
- 特に、冬眠明けの春(4〜6月)や、冬眠前に餌を求めて人里に下りてくる秋(9〜11月)が“動きが活発”になる時期とされています。
- 美里町で出された目撃情報が「9月23日・鳥谷坂地区」であることからも、秋口の時期に注意が必要であることが示唆されます。
→ 結論として、美里町では特に 「春~初夏」および「晩夏〜秋(9〜11月)」 が出没リスクが高まる時期です。
3) 危険なのか?
危険性があるとして備えるべき状況があります。理由は以下の通り:
- ツキノワグマは成獣になると体重50kg以上になる場合もあり、人にとって危険となる可能性があります。宮城県公式でもその生態・注意点を説明しています。
- 美里町のような山・里・農地が混在する地域では、人里に近づいてくるクマが“生活圏・通り道”に出てくる可能性があります。目撃情報も住宅・集落近くで出ている例があります。
- 遭遇した場合の危険度は「母グマが子グマを連れている」「薄暮・早朝など視界が悪い時間帯」「人が少ない場所を単独で通行」などの条件で高まることが知られています。
→ ですので、「絶対に危ないから近寄るな」というよりは、「遭遇したら重大な危険になり得る」という前提で、備え・注意をしておくべきです。
4) 駆除(捕獲・処分)すべきか?
この点については慎重な判断が必要です。以下の観点から整理します:
- 個人が勝手にクマを駆除(例えば銃による射撃・罠設置など)するのは、法律(野生鳥獣保護法など)、安全性・専門性の観点から原則として適切とはされていません。
- 多くの自治体・県では「まずは目撃情報を集め・誘引源を除去し・人との接点を少なくする」という対策を優先し、状況に応じて「自治体が捕獲・移送・駆除」を実施します。宮城県のウェブサイトでもそのようなプロセスが説明されています。 (宮城県公式サイト)
- 美里町に関しても、駆除をすべきという公的な呼びかけが特に出ているわけではなく、「注意して行動を」という案内です。目撃があった地域住民に対して注意を促す告知が出ています。
→ したがって、「駆除=最初の選択肢」ではなく、「予防・遭遇回避・自治体との情報共有・誘引源管理」が優先されるべきです。状況が深刻化(繰り返し人里に出る、被害が起きる等)した場合に、自治体が駆除等を検討するという流れが一般的です。
5) 対策(美里町で住民・地域としてできること)
美里町のような地域で効果的な対策を、住まいや地域・山林・農地それぞれの視点から挙げます。
・住居・住宅地近くでできること
- 生ごみ・残飯・屋外に放置された肥料や果実(庭の果樹や家庭菜園)などをクマの誘引源としないよう管理する。例えば、夜間にゴミを屋外に出さない、回収を早めに行う。
- 庭木・果樹(柿・栗・梅など)を植えている場合、熟した実を放置せずに回収し、クマを住宅地に引き寄せないようにする。
- 家の周囲の藪・低木・雑草・隠れ場となりうる場所を整理・刈り払い、見通しを良くする。クマが人に気づかずに近づいてしまう状況を減らすためです。
- 夜間・早朝・薄暮時など視界が悪い時間帯・人通りが少ない時間帯の屋外散歩・作業は慎重に。鈴やラジオなど音の出るものを持つことで「人の存在を知らせる」工夫が有効です。
- 防犯カメラ・屋外照明を設置して「異常を早く察知」できるようにしておくと安心です。
・農地・山林・通行路近くでの対応
- 森林・林道・農道・田んぼの畦道など、クマが通りそうなエリアでは、単独で行動せず複数人で行動する、鈴・ラジオを携帯して音を出す、入山・山菜取り・キノコ狩り等では「人の気配を出す」ことが推奨されています。宮城県の資料にも同様の指示があります。
- 朝・夕・薄暮時(クマの活動が活発になる時間帯)に農作業・通行をする際には特に注意。勘が鈍る霧・風のある気象条件、沢沿い・藪近くなどはリスクが高くなります。
- 足跡・フン・食痕(木の実の殻・爪痕など)を見かけたら、その近くを避ける。見通しの悪い場所・人が立ち入らない場所で痕跡があった場合、クマが近くにいる可能性を念頭に置く。
- 農作物・果樹を営んでいる方は、防獣柵・電気柵・防獣ネットを検討。併せて「誘引源をなくす(果実の早期収穫・ゴミの管理)」という対策を行うと相乗効果があります。
・自治体・地域全体での連携
- 美里町では産業振興課(問い合わせ先:電話 0229-58-2374)へ目撃情報を連絡するよう案内されています。地域の人が「目撃した/痕跡を見た」ら速やかに通報・共有する体制を持っておくことが重要です。
- 町の防災・安心メール配信サービス、自治会掲示板、SNS等を使って「クマ出没情報」「注意喚起」を共有しておくと、住民間での早期警戒に役立ちます。
- 農地・果樹園・山林を管理している自治体・集落が連携し、クマ対策(ごみ回収の徹底・隠れ場となる藪の刈払い・近隣での目撃有無の共有など)を計画的に行うと効果が高まります。
6) まとめ
- 美里町には、実際にクマの目撃情報が出ており、「まったくクマが出ない地域」というわけではありません。
- 出没が特に増えるとされる時期は、**春~初夏および晩夏~秋(特に4~6月・9~11月)**です。
- 危険性はゼロではなく、「人との接点があれば危険になり得る」という前提で備えるべきです。
- 駆除については、個人判断で行うのではなく、まずは「予防・遭遇回避・自治体との情報共有」が優先されるべきです。
- 住民・地域としてできる対策を日常的に実践することで、クマとのトラブル・遭遇リスクを大幅に減らすことが可能です。


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