富士山は標高が高く、「涼しい場所」と思われがちですが、登山シーズンや周辺の観光地では“かなり暑い”と感じる場面も多く存在します。これは平地や低山とは異なる独特の気象と環境によるものです。
ここでは、「富士山およびその周辺が暑い」と感じる原因と、登山者・観光客のための具体的な暑さ対策を詳しく解説します。
【富士山・周辺が「かなり暑い」と感じる原因】
1. 富士山麓や登山口(五合目など)は意外と暑い
- 富士山は標高3,776mですが、多くの観光客が訪れるのは標高2,300m前後の五合目(富士宮口、吉田口など)や麓の観光地(富士吉田市、富士河口湖町など)。
- これらの場所では夏(7~8月)、日差しが強く、晴天時は25℃前後まで上がることも。
- 特に車やバスで訪れる五合目は、風がないと直射日光で蒸し暑く感じやすい。
2. 紫外線が非常に強い(=体感温度が高い)
- 標高が高いほど紫外線の量は地上より強く、約1,000mごとに10〜15%増加。
- 五合目での紫外線量は地上より20〜30%高く、皮膚に直射日光が当たると強烈な暑さを感じる。
- 登山中は遮るものがないため、頭・首・腕・顔に熱がこもりやすい。
3. 風がない時は非常に暑く感じる
- 富士山周辺は普段風が強いですが、天候が安定している日中の登山道や観光地では無風状態になることもあり、強烈な日差しが直接体を照らす。
- 日陰がほぼ存在せず、登山中は逃げ場がない暑さにさらされる。
4. 登山開始直後の低標高エリア(1合目~5合目付近)は蒸し暑い
- 1合目〜3合目は森林帯で湿度が高く、下界と同様に蒸し暑い。
- このゾーンでの無理な行動・服装ミスが、脱水や熱中症につながりやすい。
【富士山・周辺の暑さ対策(登山・観光者向け)】
◉ 1. 登山・観光の服装と装備
- 速乾性・通気性に優れた登山ウェア(化繊やウール)を基本に、日差し対策を強化
- 長袖シャツ+薄手のUVカットパーカー
- 通気性のよい帽子(つば広 or ネックガード付き)
- サングラス・ネックゲイター・アームカバー
- 半袖やタンクトップでの登山はNG(紫外線+汗の蒸発ができず危険)
◉ 2. 水分と塩分のこまめな補給
- 富士山では気温が低くても体内の水分が奪われやすい(空気が乾燥+運動量が多い)
- 500mlの水を1時間に1本を目安に持参し、塩タブレットやスポーツドリンクで塩分補給
- 自販機は五合目と山小屋に限られるため、事前に十分な量を準備
◉ 3. 登山時間・観光時間の調整
- 最も暑くなるのは午前11時~午後2時。
- 登山ではこの時間帯に急登(6合目~7合目)を避けるように出発時間を調整。
- 観光で五合目に訪れるなら、午前中か夕方の訪問がおすすめ。
◉ 4. UV・日焼け対策を万全に
- 標高が高く日差しが強いため、日焼け止め(SPF50以上)を2~3時間ごとに塗り直す。
- 唇の日焼け(雪焼け含む)にも注意。UVカットリップクリームを使うこと。
【富士山特有の注意点】
項目 | 内容 |
---|---|
高山病 | 標高が高いため、暑くても深呼吸とゆっくりしたペースを守ることが重要 |
日差しの反射 | 火山岩や砂礫で日光が反射し、目・肌へのダメージが倍増 |
温度差 | 暑いのは五合目~七合目くらいまで。八合目以上では急激に気温が下がるため、防寒具も必須(フリース・ウインドブレーカーなど) |
【富士山周辺(富士五湖・富士吉田・御殿場など)の暑さ】
- 周辺地域(標高800〜1,000m前後)は市街地よりやや涼しいが、夏の昼間は28℃以上になることもあり、体感的には暑い。
- 観光施設やアウトレットモール(例:御殿場プレミアム・アウトレット)でも、日陰が少ない場所では熱中症のリスクあり。
- クールスポット(道の駅・カフェ・木陰の多い公園など)をうまく活用することがポイント。
【まとめ】
項目 | 内容 |
---|---|
暑さの主因 | 標高に比して直射日光が強い/五合目は気温が高い/風が弱い日もある/紫外線が強烈 |
特に注意すべき場所 | 五合目付近、森林帯(1~3合目)、昼間の登山道 |
対策 | 通気性の良い服装・紫外線対策・水分と塩分補給・登山時間の調整 |
注意事項 | 高山病・温度差・日差しの反射にも備える必要あり |
富士山では「気温が低くても暑い」「暑いのに体調を崩しやすい」という矛盾した気象条件が多く、暑さと寒さの両方に対応できる準備が重要です。
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