タワーマンションや一般的なマンションのオートロックは、不審者の侵入を防ぐための重要なセキュリティシステムですが、完全に安全とは言えません。
ここでは、**オートロックの安全性と脆弱性(突破されるリスク)**について詳しく解説します。
1. オートロックの基本的な仕組みと安全性
① オートロックの種類と安全性
オートロックにはさまざまな種類があり、セキュリティの強度はタイプによって異なります。
(1)シングルオートロック(1段階)
- 構造:エントランスのドアがICカードキーや暗証番号で開錠される
- 安全性:△(低め)
- 脆弱性:
- 住民が開けるタイミングで一緒に侵入(共連れ)
- 暗証番号が盗み見される
- オートロック扉が完全に閉まる前に押さえて侵入(すり抜け)
(2)ダブルオートロック(2段階)
- 構造:
- エントランス(オートロック)
- エレベーターホールや共用廊下(2つ目のオートロック)
- 安全性:◯(中程度)
- 脆弱性:
- 最初のオートロックを突破されると、2つ目のロックも突破される可能性がある
- エレベーターホールで他の住民と共連れで入られるリスク
(3)トリプルオートロック(3段階)
- 構造:
- エントランス
- エレベーターホール
- 各階の共用廊下やエレベーター内の認証
- 安全性:◎(高い)
- 脆弱性:
- 住民の不注意(共連れやドアを開けっぱなし)があると侵入リスクが残る
- 生体認証でない場合、カードキーの紛失や盗難による不正利用の可能性
② 最新のオートロック技術
最新のマンションでは、より強固なセキュリティシステムが導入されています。
技術 | 安全性 | 特徴 |
---|---|---|
ICカードキー | ◯ | 住民専用のICカードが必要(コピー対策が重要) |
スマホ連携キー | ◯ | 専用アプリで施錠・解錠、紛失リスクが低い |
顔認証 | ◎ | 住民の顔を登録、なりすましリスクが低い |
指紋認証 | ◎ | 生体情報を利用し、高いセキュリティ |
QRコードキー | △ | 一時的な来客用に便利だが、スクショされると危険 |
2. オートロックの脆弱性と突破されるリスク
オートロックがあっても100%侵入を防げるわけではありません。
ここでは、オートロックが突破される典型的な方法を詳しく解説します。
① 物理的な突破方法
オートロックのドア自体を物理的に開けられてしまうケースです。
(1)共連れ(Tailgating)
- 手口:住民がオートロックを開けるときに、不審者が後ろから一緒に入る
- 対策:
- エントランスで知らない人を入れない
- 管理人が監視カメラで不審者をチェックする
- 顔認証付きオートロックなら共連れが難しくなる
(2)すり抜け
- 手口:オートロックのドアが閉まりきる前に、手や物を挟んで侵入
- 対策:
- ドアが確実に閉まるのを確認してから去る
- センサー付きドア(異常開閉を検知するタイプ)がある物件を選ぶ
(3)カードキーの不正コピー
- 手口:ICカードキーが複製されて侵入される
- 対策:
- 暗号化されたICカード(Felica、MIFAREなど)を採用する物件を選ぶ
- 物理キーの場合は複製防止タイプを使用する
(4)非常階段や駐車場からの侵入
- 手口:
- 非常階段のドアが解錠されていると、不審者が侵入しやすい
- 駐車場の出入り口が住民以外も利用可能な場合、そこから侵入
- 対策:
- 非常階段はオートロック付きで施錠されているか確認
- 駐車場も住民専用ゲート付きのマンションを選ぶ
② 電子的なハッキング
最新のオートロックはデジタル制御されており、ハッキングによる突破も発生しています。
(1)暗証番号の盗み見
- 手口:住民がオートロックを解除する際に、後ろから盗み見する
- 対策:
- 指で隠して入力
- 定期的に暗証番号を変更
- 暗証番号式ではなく、生体認証付きのオートロック物件を選ぶ
(2)ICカードリーダーのスキミング
- 手口:ICカードリーダーに不正な読み取り装置を設置し、データを盗む
- 対策:
- ICカードはFelicaやMIFAREのような高セキュリティ規格を選ぶ
- カードを読み取り機にかざす際に、不審な装置がないか確認する
(3)スマートキーのハッキング
- 手口:Wi-FiやBluetoothを利用するスマートキーがハッキングされる
- 対策:
- 最新の暗号化技術を使ったシステムを導入
- スマホ連携キーは定期的にパスワードを変更する
3. オートロックの安全性を高めるためのポイント
オートロックの脆弱性を補うために、以下の対策を講じることが重要です。
✅ 二重・三重のオートロックがある物件を選ぶ
✅ 共連れを防ぐために、知らない人と一緒に入らない
✅ 指紋認証・顔認証などの生体認証付きオートロックを選ぶ
✅ 駐車場や非常階段のセキュリティをチェックする
✅ ICカードやスマートキーは定期的にセキュリティ設定を見直す
まとめ
オートロックは確かに防犯対策として有効ですが、過信せずに脆弱性を理解し、追加の対策を取ることが重要です。
物件選びの際には、オートロックの種類や管理体制をよく確認し、より安全な環境を確保するようにしましょう。
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