セキュリティの高いタワーマンション（タワマン）でも、不審者が侵入できるケースはいくつか考えられます。ここでは、どのような状況で侵入が発生するのか、具体的な手口とその背景を詳しく解説します。
1. 住民の不注意を突いた侵入
タワマンのセキュリティシステムがどれだけ強固でも、住民の行動によって侵入リスクが生まれることがあります。
(1) 共連れ（ともづれ）による侵入
状況
オートロック付きのエントランスを住民が開けた際に、不審者が後ろから一緒に入る手口です。
例：
- 住民がドアを開けたタイミングで、自然に後ろについて入る
- 「すみません、住人の〇〇さんを訪ねてきたのですが」と声をかけて油断させる
- 宅配業者や清掃業者を装い、住民になりすます
なぜ侵入できるのか？
- 住民が「見知らぬ人を疑う」意識を持っていない
- マンションのエントランスに監視カメラがあっても、リアルタイム監視がない
(2) 住民がオートロックを開けてしまう
状況
住民自身が、インターホンで確認せずにオートロックを解除することで、不審者が侵入してしまうケース。
例：
- インターホン越しに「宅配業者です」と言われ、確認せずに開けてしまう
- 住民の知人を装い、「〇〇号室の〇〇さんに用がある」と言って開けさせる
- 「管理会社の者ですが…」と言って、偽の点検を装う
なぜ侵入できるのか？
- 住民がオートロックを過信して、細かい確認を怠る
- 宅配や点検を装うことで、疑われにくくなる
2. マンションの管理体制の隙を突いた侵入
タワマンのセキュリティが厳しくても、管理体制に隙があると不審者が侵入できることがあります。
(3) 偽装業者・清掃員・点検業者のふりをする
状況
不審者が業者を装い、正規の手続きを経ずにマンション内に入る。
例：
- 宅配業者や電気・ガスの点検員になりすまし、住民や管理人をだます
- 清掃員のふりをして、エントランスやエレベーターを通過
- 配管修理や消防点検などを理由に、住民を安心させる
なぜ侵入できるのか？
- 管理人や住民が業者の確認をしない
- 住民が「業者は入れるもの」と思い込み、疑わない
- タワマンでは日常的に業者の出入りがあるため、不審者が紛れやすい
(4) 実際に入居者になりすます（偽の賃貸契約・盗難キー使用）
状況
悪意のある第三者が、偽の身分証や盗難した鍵を使い、合法的に入居者になりすますことで侵入するケース。
例：
- 違法な手段で空室の鍵を入手し、そこから住民エリアにアクセス
- 短期賃貸契約を悪用し、犯罪目的で一時的に住みつく
- オーナーや管理会社が入居者の身元確認を甘くしたため、不審者が住みつく
なぜ侵入できるのか？
- 空室の鍵管理が甘いと、盗難キーでの侵入が可能
- 管理会社が契約者の身元確認を厳格に行っていない
- 短期滞在者が多いマンションでは、住民同士の顔がわからず、不審者が目立ちにくい
3. 設備や構造の隙を突いた侵入
タワマンの防犯設備の「見落とし」や「構造の隙」を突かれるケースもあります。
(5) 防犯カメラの死角を利用
状況
監視カメラが設置されていない場所を狙って侵入する。
例：
- エントランスの横や裏口、駐車場の奥など、カメラの映らない場所を使う
- ゴミ捨て場や非常口の近くで待ち、住人に紛れて入る
なぜ侵入できるのか？
- すべての場所に監視カメラがあるわけではない
- 管理会社がカメラの設置場所を定期的に見直していない
- 駐車場や非常階段など、監視が手薄になりやすい
(6) 非常階段や屋上からの侵入
状況
エレベーターではなく、非常階段や屋上から侵入する手口。
例：
- 非常階段のドアが施錠されていない場所を見つけて侵入
- 低層階のバルコニーからベランダ伝いに移動する
- 屋上への出入り口が管理されていない場合、そこから降りてくる
なぜ侵入できるのか？
- 非常階段の施錠が徹底されていないマンションがある
- 屋上の管理が甘い場合、そこを経由して住居エリアに入れる
- ベランダの施錠が甘い住戸があると、簡単に侵入できる
まとめ
セキュリティの高いタワマンでも、不審者が侵入するリスクがゼロではありません。特に、住民の不注意、管理体制の甘さ、設備の死角を突かれるケースが多いです。
不審者が侵入できる状況まとめ
- 住民の不注意
- **共連れ（ともづれ）**による侵入
- オートロックを簡単に開けることで侵入
- 管理体制の隙を突く
- 偽装業者・清掃員のふりをする
- 偽の賃貸契約や盗難キーを使って正規入居者になりすます
- 設備や構造の死角を狙う
- 防犯カメラのない場所から侵入
- 非常階段や屋上を利用する
防ぐための基本対策
✅ 共連れを許さない（後ろの人を確認）
✅ インターホンで来訪者の身元を確認
✅ 住民同士で顔を覚え、異変に気づく
✅ 非常階段やベランダの施錠を徹底
✅ 管理会社に防犯体制の見直しを提案
タワマンのセキュリティに過信せず、住民一人ひとりが防犯意識を高めることが最も効果的な対策です。
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