1. auカブコム証券のFXのセキュリティ・情報漏洩対策を詳しく解説
結論からいうと、同社はパスキー認証、不正ログインの検知、通信の暗号化、ログイン通知など、複数のセキュリティ対策を公開しています。さらに、2026年10月22日以降、ログイン時のパスキー利用が必須化されています。
そのため、現在FX口座を利用している人は、パスキーの登録状況と、普段使っているパソコン・スマートフォンからログインできるかを確認することが重要です。
一方で、セキュリティ対策が充実していることと、情報漏洩や不正アクセスが絶対に発生しないことは別です。今回の解説では、会社側の対策、パスキーの設定手順、利用者自身ができる防御策、解約を判断する基準を順番に説明します。
2. 三菱UFJ eスマート証券のFXは安全なのか
同社は公式のセキュリティ対策ページで、顧客の資産や情報を守るための取り組みを公表しています。
主な対策は次のとおりです。
- パスキー認証
- ログインや出金操作時の追加認証
- 不審なアクセスを検知する仕組み
- ログイン通知機能
- アカウントロック機能
- SSL/TLSによる通信の暗号化
- 一定時間操作がない場合の自動ログアウト
- 顧客情報の一部を隠すマスキング
- 不審なメールを見分けやすくするBIMI対応
これらは、第三者による不正ログインや、情報の盗み取りなどのリスクを減らすための対策です。
ただし、公開された対策の説明だけで、すべてのシステムが常に安全であることや、今後も情報漏洩が起こらないことを保証することはできません。
現時点での適切な評価は、複数のセキュリティ対策が公表されている一方、利用者側でもパスキーの設定や不審な取引の確認を行う必要がある、というものです。
3. 情報漏洩を防ぐためにどのような対策がされているのか
① パスキー認証
パスキーは、従来のパスワード入力に頼らず、スマートフォンの顔認証・指紋認証や、パソコンのWindows Helloなどを利用して本人確認する仕組みです。
同社では2026年4月26日に導入され、同年10月22日以降はログイン時の利用が必須となりました。パスキーは登録した正規のサイトと結び付いているため、偽サイトにパスワードを入力してしまうタイプのフィッシング詐欺に強いという特徴があります。
② ログイン・出金時の認証
同社は、ログインや出金操作の際に本人確認を行う仕組みを設けています。
金融口座では、ログインできるだけでなく、出金先の変更や資金の移動を不正に行われないことも重要です。ログイン時の認証に加えて、重要な操作を保護する仕組みがあることは、セキュリティ上の意味があります。
③ 不審なログインの検知
利用端末やアクセス元などを総合的に判断し、通常と異なるアクセスを検知する仕組みが導入されています。
また、ログイン通知を利用すると、口座にログインがあったことを把握しやすくなります。不審なログインに早く気付くことは、被害を抑えるうえで重要です。
④ アカウントロック機能
パスワードを何度も間違えた場合に、アカウントを一時的にロックする機能も案内されています。
これは、第三者が大量のパスワード候補を試す攻撃などに対する防御の一つです。ただし、フィッシング詐欺や、すでに盗まれた認証情報の悪用など、すべての不正アクセスを防ぐものではありません。
⑤ 通信の暗号化
同社は、取引サイトとの通信にSSL/TLS暗号化技術を採用していると説明しています。これにより、通信中の情報を第三者に盗み見られたり、故意に書き換えられたりするリスクを抑えます。
ただし、暗号化は通信を保護するための対策です。利用者が偽サイトにアクセスした場合や、端末自体がマルウェアに感染した場合まで完全に防ぐものではありません。
⑥ 顧客情報のマスキング
同社は、不正アクセスなどが発生した場合に情報が盗み取られるリスクを減らすため、顧客情報の一部を伏せて表示するマスキングを行っていると説明しています。
マスキングは、画面に表示された情報を第三者に見られた場合などのリスクを減らす対策です。ただし、すべての顧客情報がすべての場面で完全に隠されるという意味ではありません。
4. 情報漏洩や不正アクセスの事例はあるのか
ここは、会社の対策を評価するうえで重要な部分です。
三菱UFJ eスマート証券は、2025年4月24日に、同社を装ったフィッシング詐欺などが原因とみられる口座への不正アクセスと不正取引を確認したと公表しています。その際、リスクに応じた二要素認証の強化や、不正アクセスの可能性が高い口座の利用停止などの対応を発表しました。
さらに、2026年10月28日付の公式発表では、同社を装った偽メールや偽サイトが多数確認され、偽サイトに入力された顧客情報が悪用される不正アクセス事案が発生していると注意喚起しています。
この発表で特に注意したいのは、会社のサーバーから顧客情報が一斉に漏洩したという話と、利用者が偽サイトに入力した情報を第三者に悪用される話は、別の問題だということです。
現時点で確認できる上記の発表は、主にフィッシング詐欺を通じた認証情報の窃取と、それによる不正アクセスについてのものです。これだけを根拠に、同社の全顧客情報が会社のシステムから漏洩したと判断することはできません。
一方で、実際に不正アクセスや不正取引が発生したことは軽視できません。パスキーを設定し、偽サイトにログイン情報を入力しない対策を取ることが特に重要です。
公式発表:
2026年10月28日付・リアルタイムフィッシングに関する注意喚起
5. パスキーの設定方法
三菱UFJ eスマート証券では、2026年10月22日以降、ログイン時のパスキー利用が必須となっています。パスキーを登録していない端末ではログインできない場合があるため、FXをパソコンとスマートフォンの両方で利用する人は、両方の端末でパスキーを利用できるか確認してください。
設定画面やOSによって表示が異なる場合がありますが、基本的な流れは次のとおりです。
手順1:公式のパスキー案内を開く
まず、三菱UFJ eスマート証券の公式パスキー案内を開きます。
公式・パスキー認証の設定方法
メールやSMSに書かれたリンクから設定を始めるのではなく、上記の公式ページを自分で開いてください。2026年10月28日には、パスキー登録を促す偽メールについても公式に注意喚起されています。
手順2:利用する端末の準備をする
利用する端末に応じて、事前に次の設定を確認してください。
Windowsパソコン
Windows 11以上の環境で、Windows Helloの顔認識、指紋認識、またはPINを設定します。FX PCアプリで利用する場合も、公式案内ではWindows Helloの利用が推奨されています。
iPhone
パスコードを設定し、「パスワードとパスキーを自動入力」などの設定でAppleのパスワード管理機能を利用できる状態にします。公式案内に従い、対応するSafariなどのブラウザーを使ってください。
Androidスマートフォン
画面ロックを設定し、Googleパスワードマネージャーを利用できる状態にします。公式案内ではAndroid 9以上とChromeが記載されています。
動作環境や対応ブラウザーは変更されることがあるため、登録前に公式案内で最新の条件を確認してください。
手順3:PCサイトにログインする
公式案内では、パスキーの作成・登録を始める際、PCサイトへのログインが案内されています。
- まだパスキーを登録していない場合は、口座番号とパスワードを入力し、求められる追加認証を行います。
- すでにスマートフォンなどにパスキーを登録している場合は、そのパスキーを使ってログインできるか確認します。
なお、2026年10月22日以降は、パスキーを登録した口座では、パスキー以外のログイン方法が利用できなくなっています。端末を追加する場合は、既存のパスキーを利用できるか確認しながら作業してください。
手順4:「パスキー管理」を開く
ログイン後、次のメニューを開きます。
- PCサイト:「設定・申込」から「お客さま基本情報」または「パスキー管理」へ進む。
- スマートフォンサイト・アプリ:右上のメニューから「設定・照会」→「パスキー管理」へ進む。
画面に「パスキーを作成」または「+パスキーを追加」が表示されたら選択します。
手順5:パスキーの保存先を選ぶ
表示された画面で、パスキーを保存する場所を選択します。
- Windowsパソコンでは、Windows Helloが推奨されています。
- iPhoneでは、Appleのパスワード管理機能を利用できます。
- Androidでは、Googleパスワードマネージャーを利用できます。
PCサイト、FX PCアプリ、スマートフォンなど、利用する環境によって対応する保存先が異なります。特に、ブラウザーのパスワードマネージャーに保存したパスキーが、すべての取引アプリで使えるとは限りません。FX PCアプリで取引する人は、Windows Helloのパスキーを登録する方法も確認してください。
手順6:本人確認を行う
画面の案内に従い、顔認証、指紋認証、PIN、端末のパスコードなどで本人確認を行います。
登録が完了すると、登録完了の通知が登録メールアドレスに送信されます。通知が届いたら、登録したパスキーに心当たりがあることを確認してください。
手順7:普段使う端末でログインできるか確認する
最後に、普段利用しているパソコン、スマートフォン、FX PCアプリなどで、パスキーを使ってログインできるか確認します。
複数の端末で取引する場合は、1台で登録しただけで、すべての端末で必ず使えるとは限りません。 利用する端末ごとに登録状況を確認してください。
公式の詳しい手順:
パスキー認証の作成・登録・ログイン方法
6. パスキーを設定する際の注意点
パスキーは強力な対策ですが、登録の仕方や管理方法にも注意が必要です。
① 登録済みのパスキーを定期的に確認する
公式サイトでは、登録済みのパスキーがすべて自分で作成したものか定期的に確認するよう案内しています。身に覚えのないパスキーがあれば、不正利用の可能性を考えて対処してください。
② 機種変更の前に確認する
新しいスマートフォンやパソコンへ変更する場合、パスキーが自動的に引き継がれるとは限りません。
AppleやGoogleのパスワード管理機能で同期されている場合は引き継げることもありますが、端末や設定によって異なります。機種変更前に公式案内を確認し、新しい端末でもログインできるよう準備してください。
③ パスキーを登録していない端末に注意する
パスキーの登録後は、登録していない端末から従来のパスワード認証でログインできない場合があります。
FXをパソコンとスマートフォンの両方で利用している場合は、片方だけでなく、それぞれの端末・アプリでログインできることを確認してください。
④ パスキーを求める偽メールに注意する
2026年10月15日と28日の公式発表では、パスキーへの移行を促す偽メールや、同社を装ったフィッシングサイトについて注意喚起しています。
同社は、メールでログインを促すことはないと説明しています。パスキー登録を促すメールにログイン用リンクが記載されていたら、リンクを開かず、公式サイトを自分で開いて確認してください。
7. 利用者自身ができる情報漏洩・不正アクセス対策
会社のセキュリティ対策だけに頼らず、自分でも対策を実施することが大切です。
① パスキーを優先して利用する
パスキーが利用できる場合は、公式案内に従って設定し、対応している端末ではパスキーでログインしてください。
同社は、パスキーを登録した場合にパスキー以外の認証を無効化できる仕組みも案内しています。利用できる設定を確認し、必要に応じてパスキー中心の認証に切り替えるとよいでしょう。
② 不審なメールやSMSのリンクを開かない
例えば、次のような文面には注意してください。
- 「不正アクセスが発生しました。こちらから確認してください」
- 「本日中にパスキーを設定しないと口座が停止されます」
- 「出金を確認するため、ログインしてください」
- 「本人確認が必要です。リンクから手続きしてください」
実際に会社から重要なお知らせが届く場合でも、メール内のリンクからログインするのではなく、公式サイトや公式アプリから確認する習慣をつけましょう。
③ ログイン・取引通知を確認する
ログイン通知や取引通知を利用し、身に覚えのないログインや取引がないか確認してください。
通知が届いた場合、すべてが不正アクセスとは限りません。自分が行った操作かどうかを確認し、心当たりがなければ公式サポートへ連絡しましょう。
④ 端末を安全に保つ
パソコンやスマートフォンのOS、ブラウザー、取引アプリを最新の状態に保ってください。
不審なアプリやファイルをインストールしないことも重要です。端末がマルウェアに感染すると、ログイン情報を盗まれるおそれがあります。
⑤ 出金先情報と取引履歴を確認する
FX口座では、ログインだけでなく、取引や出金に関する不正操作にも注意が必要です。
定期的に次の項目を確認してください。
- 身に覚えのない取引がないか
- 不審な出金や出金申請がないか
- 登録した出金先金融機関が変更されていないか
- 見覚えのないログイン通知が届いていないか
不審な点があれば、記録を保存したうえでサポートへ連絡してください。
8. 不正ログインや情報漏洩が疑われた場合の対処法
もし偽サイトにログイン情報を入力した、身に覚えのないパスキーが登録されている、不審な取引があったなどの場合は、迅速に対応してください。
- 公式サポートに連絡する。 不正アクセスや不正取引の可能性があることを伝えます。
- 公式案内に従ってパスキーを再設定する。 身に覚えのないパスキーがあれば、公式手順に従って削除・再設定を行います。
- ログインパスワードを変更する。 偽サイトに入力した可能性がある場合は、パスキーだけでなくパスワードも見直してください。
- パスキー以外の認証を確認する。 公式案内に従い、不要な認証方法を無効化するなどの対策を行います。
- 取引履歴と出金情報を確認する。 不審な操作があれば、日時や内容を記録してサポートに伝えます。
- 登録メールアカウントも保護する。 メールアカウントが乗っ取られている可能性があれば、そちらも安全な端末から保護してください。
なお、偽サイトに情報を入力した場合、パスキーを登録しているだけで被害が解消されるとは限りません。公式の2026年10月28日付案内では、パスキーの削除・再設定、ログインパスワードの変更などが対処として案内されています。
9. auカブコム証券のFXは必ず解約した方がよいのか
いいえ。セキュリティ上のニュースがあったからといって、必ず解約しなければならないわけではありません。
ただし、同社ではフィッシング詐欺による不正アクセス事案が公表されているため、単に「大手の証券会社だから安心」と考えるのも適切ではありません。
判断するときは、自分の利用状況と、必要な対策ができているかを基準にしましょう。
| 状況 | 考え方 |
|---|---|
| 不審な取引がなく、パスキーを設定して利用できている | 直ちに解約する必要があるとは限らない |
| まだパスキーを設定していない | まず公式手順で登録する |
| パスキーを求めるメールのリンクからログインした | 速やかに公式サポートへ相談し、口座を保護する |
| 身に覚えのないパスキーや取引がある | 不正利用への対応を最優先する |
| セキュリティ対策や会社の対応に不安が残る | 取引を控えることや、解約を含めて検討する |
解約を検討する場合も、未決済ポジション、預けている資金の出金、取引履歴の保存などを確認してから進めてください。
また、パスキーを設定できない端末がある場合には、すぐに解約を決めるのではなく、公式サポートに対応方法を確認する選択肢もあります。
10. 公式情報・問い合わせ先
設定方法や最新のセキュリティ対策については、次の公式ページを確認してください。
- 三菱UFJ eスマート証券公式サイト
- セキュリティ対策の案内
- パスキーの設定・登録方法
- 2026年10月28日付のフィッシング詐欺に関する注意喚起
パスキーや二要素認証については、公式案内に掲載されている専用窓口も利用できます。
- 電話:0120-977-930
- 050で始まるIP電話:03-4232-7933(有料)
- 受付時間:平日8:00~17:00(年末年始を除く)
電話番号や受付時間は変更される可能性があるため、連絡前に公式サイトで最新情報を確認してください。
11. 最終的な結論
auカブコム証券(現・三菱UFJ eスマート証券)のFXでは、パスキー認証、ログインや出金時の認証、不正アクセスの検知、通信の暗号化、ログイン通知など、複数のセキュリティ対策が公開されています。
一方で、2025年にはフィッシング詐欺などによる不正アクセス・不正取引が公表され、2026年10月にも偽サイトを通じた認証情報の悪用について注意喚起されています。これらの事実から、会社側の対策があるからといって、利用者が何もしなくてよいわけではないことが分かります。
利用を続けるのであれば、まず次の3点を実施してください。
- パスキーを設定し、普段利用する端末すべてでログインできるか確認する。
- メール内のログインリンクを使わず、公式サイトや公式アプリからアクセスする。
- ログイン通知、取引履歴、出金先情報を定期的に確認する。
これらの対策を取ったうえで、不審な操作がなく、サービスを安心して利用できているのであれば、セキュリティに関するニュースだけを理由に必ず解約する必要はありません。
ただし、不正利用が疑われる場合や、対策を行っても安心して利用できない場合には、取引を控え、公式サポートへの相談や解約を含めて検討するのが適切です。

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