桑折町(福島県伊達郡)におけるクマ(ツキノワグマ)の状況
桑折町について、「クマはいるか」「多い時期」「危険性」「駆除の是非」「対策」を詳しく整理します。
1) クマはいるのか?
桑折町でもクマの目撃・出没情報が確認されています。
- 町の公式サイトでは「クマの出没にご注意ください!」という注意喚起が出されており、令和7年9月11日~12月15日を対象に、ブナ等堅果類の不作のため冬眠前のクマが人里近くに出る可能性が高いとしています。
- 県の目撃データにも、桑折町大字万正寺字東で歩行中にクマ1頭(体長約0.8 m)を目撃、という記録があります。
- 新町の県道沿いでも体長約50 cmのクマ1頭が目撃されたという報道があります。
これらから、桑折町は「クマがまったくいない地域」ではなく、活動・移動しているクマの存在が確認されている地域と考えて良いです。
2) 多い時期(活動が活発な時期・人里近く出る時期)
桑折町・福島県北地方全体の公表情報から、注意すべき時期は以下の通りです:
- 春:冬眠明けに餌を探して活動範囲を拡大する時期。県でも「冬眠から目覚めたクマがエサを求めて活動を始める時期」としています。
- 夏~早秋:山林内だけでなく、果樹畑・農地・民家近くなどにも出没する可能性があります。桑折町では8月に「桃を食べているクマ目撃」記録も。
- 秋(特に9~12月):冬眠前の、食料確保を急ぐ時期。桑折町公式で、「令和7年9月11日~12月15日 会津・中通り地域に“出没警報”」と出ています。
- また、**早朝・夕方・薄暗い時間帯や視界が悪い日(雨・霧)**もクマの活動が出やすいとされています。桑折町の注意喚起にも「早朝や夕方はヤブや果樹のある場所に近づかない」と記されています。
つまり、特に注意すべき時期・時間帯は:
- 春(4〜5月頃)
- 夏〜早秋(6〜10月)特に果実収穫期・農地近く
- 冬眠前の晩秋(9〜12月)
- 早朝・夕方・薄暗い時間帯
3) 危険なのか?(人に害をなす可能性)
はい、一定の危険性はあります。ただし、「必ず襲われる」というわけではなく、どう対応するかによって大きく変わります。
- 福島県全体で、2025年10月時点でクマによる人身被害が過去最多に近づいており、首から上・手に傷を負うケースが多く出ているとの報道があります。
- 桑折町・近隣地域でも、クマが民家近く・畑近くに出没しており、「人里近く」「果実・畑・ごみ」が誘因となる可能性が高いです。
- 具体的に「子グマ・母グマ」「驚かせた時」「人間が餌を与えてしまった・餌になりそうなものを置いていた」などの状況では襲われるリスクが高まるという知見があります。
- 桑折町の注意事項では、「クマが興奮するので、大声で叫んだり石などを投げつけない」「クマから目を離さずに後ずさり」「走って逃げない」など、遭遇時の行動が記されています。
したがって、「桑折町ではクマによる遭遇・被害の可能性が現実に存在する」と理解し、「遭遇しないため・遭遇時の被害を最小化するための準備」が重要です。
4) 駆除するべきか?(行政・倫理的観点)
- 駆除(捕獲・処分)は、安易に「この地域=クマだから全頭駆除すべき」とするものではなく、まずは 被害防止策・誘引物の除去・生態的管理が優先されます。福島県のガイドラインでもこの方針が示されています。
- 桑折町の公式文でも、駆除そのものという語より「クマの出没にご注意ください」「餌になりそうなものを放置しないでください」などの“予防型”の表現が使われています。
- したがって、駆除は「特定個体が頻繁に人里に出たり、被害を出している」「住民の安全確保のため緊急性が高い」「自治体・県が調査・判断した上で実施される」という条件付きです。個人での勝手な駆除は法律・安全・倫理の面で問題があります。
- 結論として: 桑折町ではまず“駆除”より“共存・予防・管理”を優先する方針 と考えるのが妥当です。
5) 桑折町でできる具体的な対策
桑折町・福島県の情報から、「住民・農家・散策者」が取るべき具体策を整理します。
登山・山菜採り・散策時の対策
- 複数人で行動する。単独で深山・藪に入るのはリスクが高まります。
- クマ鈴・ラジオ・音の出るものを携帯し、人の存在をクマに知らせる。桑折町の注意でも「クマ鈴やラジオなどを身につけ、人の存在をクマに知らせる」とあります。
- 早朝・夕方・薄暗い時間帯や、視界が悪い(霧・雨)天候時は行動を控えるか慎重に。
- 藪・果樹近く・山林縁辺部などは視界が悪くクマと至近距離になる可能性があるため注意。
農・家庭・地域での対策
- 果樹(桃・柿等)、畑、農地・果実収穫後の放置物などを管理。桑折町では桃を食べているクマ目撃例があります。
- 家庭ごみ・ペットフード・生ごみ等を屋外にそのまま置かない。クマの餌となるものをなるべく抑える。桑折町も「民家周辺の果樹や野菜など身がなったまま放置しない」「生ごみなどを放置しないでください」と案内しています。 (郡町公式サイト)
- 藪刈り・草刈り・林縁部の整備をして、クマが住みやすい環境をできるだけ減らす。
- 地域で目撃情報を共有し、登山者・住民・農家などが情報をもとに行動できるようにする。県の目撃マップも活用できます。
遭遇してしまった時の対応
- クマと目が合ったら、急に走らない、背を向けて逃げない。桑折町の案内では「クマから目を離さずに、後ずさりしながら慌てず、ゆっくり立ち去る」とされています。
- 大声を出して驚かす・石などを投げる、という行為はクマを興奮させる可能性あり。桑折町注意文でも「クマが興奮するので、大声で叫んだり石などを投げつけないでください」と明記。
- 子グマを見つけたら、母グマが近くにいる可能性が非常に高いため、特に慎重に。
- もし相手が攻撃的になった場合、頭・首を守るなど、防御姿勢をとるという指導も福島県で出ています。
6) 注意すべき点・まとめ
- 桑折町では、クマが生息・移動しており、目撃情報が出ているので「安心してクマはいません」とは言えません。
- 特に 春・夏〜早秋・晩秋、および 早朝・夕方・薄暗い時間帯 に活動・出没の可能性が高くなります。
- 危険性は「遭遇時の状況・対策の有無」で大きく変わるため、予防・備えが非常に重要です。
- 駆除は地域・自治体の判断・手続きによるもので、個人で勝手に行うのは適切ではありません。まずは「被害を出さない」「誘引物を減らす」「環境を整える」ことが優先されます。
- 地域・家庭・個人でできる具体的な対策をしっかりと行うことで、クマとのトラブル・被害リスクをかなり低くできます。


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