登米市(宮城県)におけるクマ(ツキノワグマ)の状況と対策
1) 登米市にクマはいるのか?
登米市では実際にクマの出没・目撃情報が報告されています。
- 2025年8月18日頃、登米市中田町で住宅の庭に体長約1 mのクマが入り込んだ目撃がありました。果樹(桃)を食べる様子も撮影されており、警察が「同じ個体の可能性が高い」として注意を呼び掛けています。
- 2025年8月4日午後5時頃、登米市迫町新田彦道でクマの出没が報じられています。
- また、田んぼの中を歩くクマの目撃もあり、2025年3 月13日には登米市石越町南郷で123cm程度のクマが田んぼを通過したとの通報があります。
- 宮城県全体の「クマ目撃等情報マップ」についても、登米市を含む地域で出没が確認されており、必ずしも“山奥だけ”の問題ではないという注意喚起が出ています
このように、登米市域ではクマの存在が確認されており、住宅地や農地にも近づいてきているという実情があります。
2) 多い時期・出没しやすい時期はいつか?
- 宮城県の資料によれば、春〜初夏(4〜6月)に冬ごもりから目覚めたクマが餌を探し始める時期と、秋(9〜11月)に冬眠に備えて食料を多く摂るため人里近くまで行動を広げる時期が、特に“出没が増える傾向”にあります。
- 登米市でも、8月上旬〜中旬(例:8月4日、8月18日)に目撃が複数報じられており、夏~晩夏の時期にも行動範囲を広げている様子が伺えます。
- 最近の県の「クマ出没シーズン予報」では、令和7年4月~12月(春〜冬)について「平年より出没が多い見込み」と発表されています。
→ 結論として、登米市では「春」(雪解け後)、「夏~晩夏」、「秋にかけて」が特に注意すべき時期です。
3) 危険度はどれくらいか?
- ツキノワグマは成獣で体長100~160 cm、体重50~130kg 程度になるケースもあり、力も強く、人との遭遇が危険を伴う可能性があります。 (宮城県資料より)
- 登米市では、まだ大きな人身被害の報道が頻繁に出ているわけではありませんが、住宅敷地や田んぼ・農地など“人の生活圏近く”に出てきているという事実があるため、「人にとって無関係な存在」ではないという認識が必要です。
- 特に、母グマ+子グマ/夜間・薄暗い時間帯/単独行動/人の気配が少ない場所での遭遇はリスクが上がります。
→ よって、「危険が全くない」と言うことはできず、一定の警戒・対策が望ましいです。
4) 駆除(捕獲・殺処分)すべきか?
- 個人が勝手にクマを駆除(射撃等)するのは、法律・安全・環境保全の観点から原則として適切ではありません。行政(県・市)と協力して、専門の捕獲・移送・駆除の枠組みで対処されるべきです。
- 登米市や宮城県でも、目撃されたクマに対して「箱わなでの捕獲を準備」「警戒を強化」という報道があります。例:8月18日の登米市中田町での目撃に対し、連日目撃があった個体を「箱わなで捕獲」したというニュース。
- したがって、地域住民が「すぐに駆除すべきだ!」という判断をするよりも、「まずは出没情報を自治体に届ける/誘引要因を減らす/行政による対応を促す」ほうが安全で効果的です。
→ 結論として、「駆除すべきか?」という問いには、「条件次第だが、個人判断で駆除するのではなく、行政と連携して適切に対処すべき」という回答になります。
5) 登米市でできる具体的な対策(家庭・地域向け)
以下、登米市在住・近郊地域に住む場合に実践できる対策です:
家・住宅近くで
- 生ごみ・残飯・米ぬか・屋外に放置する肥料など、クマを誘引しかねないものを屋外に置かない。特に夕方以降に出るゴミには要注意。
- 果樹(桃・柿・栗・梅など)を栽培している方は、熟した実をそのまま放置せず早めに収穫・持ち帰る。登米市の例でも「モモを食べられた」被害が報告されています
- 家の周りのヤブ・草木・低木の整理を行い、クマが「隠れ場・潜み場」とできそうな場所を減らす。
- 夜間・早朝の屋外作業・散歩・農作業は、できれば複数人で行動したり、ラジオ・鈴で音を出して人の気配を知らせる。
- 出没があった地域では明るい照明を備えたり、防犯カメラを設置してクマの侵入を早期に察知できるようにする。
農地・山林・通り道
- 山や林道、農道に入る際は、単独行動を避け、鈴・ラジオなど音を出して事前に自分の存在を知らせる。特に朝夕はクマの活動が活発化する時間帯です。
- 田んぼ・河川敷・林縁などクマが移動・餌を探しに来やすい場所の近くでは、車・歩きともに慎重に行動。進入路・風通しの悪い茂みなどはクマの逃げ道も塞がれる可能性があり危険性が増します。
- 万が一クマを見かけたら:慌てて走らず、背を向けず、距離を保ってゆっくり後退する。大声を出したり物を投げたりするのは逆効果になることがあります。県のマニュアルにもこうした行動が案内されています。 (宮城県公式サイト)
地域・自治体と協力して
- 地域に「クマ出没情報」の掲示板・共有システムがあれば参加し、近くで目撃があったらすぐに情報を共有。登米市でも複数の目撃が短期間にあったケースがあります。
- 農家・果樹園など規模が大きい方は、県・市の助成を活用して「電気柵」「防獣ネット」「箱わな」などの設置検討。
- 市や県が出している「クマ出没シーズン予報」や「目撃マップ」を定期的にチェックし、予警報的な状況把握を行う。
6) まとめ
登米市ではクマの出没確認が実際にあり、住宅地・農地・田んぼ付近でも目撃例が出ています。特に「春〜夏〜晩夏」「秋」にかけて注意が必要な時期とされており、単に“山奥の話”ではなく人里近くでも発生している現象です。
危険性も無視できず、個人での駆除は基本的には推奨されません。まずは「誘引源を断つ」「遭遇しない行動をとる」「出没情報を自治体と共有する」という流れを確実に実践することが重要です。


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