スポットクーラーを賃貸物件に設置した場合、基本的に「原状回復は発生しません」。
理由は、スポットクーラーが工事不要型の移動式冷房機器であり、壁・窓・天井に恒久的な加工を施す必要がないからです。
ただし、誤った設置や取り扱いによって、原状回復費用が発生する可能性があるケースもあります。以下でくわしく解説します。
■ 原状回復とは?(賃貸契約での基本)
原状回復とは、退去時に「入居時の状態に戻す」義務のこと。
国土交通省のガイドラインにより、借主は通常使用による経年劣化以外の損傷や改造について修復する責任があります。
スポットクーラーのような移動式家電でも、次のような**「痕跡」や「損傷」を残すと原状回復が求められる可能性**があります。
■ 【発生しないケース】=正しい使い方をした場合
状況 | 原状回復の必要性 | 解説 |
---|---|---|
✅ 窓パネルをサッシにはめて使用 | 不要 | ネジ止めなし、両面テープで固定した程度なら剥がすだけで済む |
✅ 養生テープや突っ張り棒でダクトを固定 | 不要 | 傷がつかず、撤去すれば元に戻せる |
✅ 床や壁に水や結露をこぼしていない | 不要 | 通常使用内で清掃済みなら問題なし |
✅ 自動排水(ノンドレン)機種を使用 | 不要 | 排水漏れがなければトラブルの原因になりにくい |
💡 このように「賃貸向けの工夫をした使用方法で、設置・撤去後に跡が残らなければ」原状回復の必要はありません。
■ 【発生するケース】=間違った使い方をした場合
以下のような使い方をしてしまうと、管理会社・オーナーから補修費を請求される可能性があります。
NG例 | 原状回復が必要な理由 |
---|---|
❌ 窓枠にネジやクギで窓パネルを固定した | 木部・金属部に穴や跡が残り、補修対象となる |
❌ 壁にダクト用の穴を開けた | 完全に現状復帰不可能。エアコン用穴でも、賃貸での勝手な施工はNG |
❌ 排水処理に失敗し、床が変色・腐食した | 水濡れやカビは借主の管理義務。原状回復費用(床材全張替え等)の対象になることも |
❌ 排熱処理を怠って壁紙が変色・はがれた | 高温が長時間当たると壁紙や家具にダメージが残る |
❌ 両面テープを剥がしたら壁紙も剥がれた | 粘着力の強いテープの使用は注意。跡やはがれは「借主の過失」とみなされることがある |
■ 原状回復を避けるためのポイント(まとめ)
ポイント | 解説 |
---|---|
✅ 壁・窓に穴を開けない | 専用パネルやテープ、突っ張り棒などで「非破壊設置」する |
✅ 排熱ダクトの出口は窓・換気口を使う | 排熱が壁紙や家具に直接当たらないようにする |
✅ 結露水・排水の管理を徹底する | バケツで定期排水・防水トレイ・自動排水式などで床の水濡れを防止 |
✅ 固定用テープは養生テープにする | 壁紙を傷めない素材を選び、剥がすときもゆっくり慎重に |
✅ 退去前にきちんと清掃・撤去する | ゴミ・水・跡を残さないことでトラブルを回避 |
■ 原状回復が不安なら、管理会社に事前確認するのも有効
- 「この方法で排熱ダクトを設置しても問題ないか?」
- 「窓枠に貼るテープやクッション材の使用はOKか?」
など、事前に相談・確認をしておくと、退去時のトラブルを未然に防げます。
■ まとめ:正しく使えば原状回復は不要、でも油断は禁物
項目 | 結論 |
---|---|
穴あけ工事の必要性 | ❌ 不要(スポットクーラーは工事不要、設置はDIYで十分) |
原状回復の発生条件 | ❌ 正しい設置なら不要。ただし誤設置(穴・水濡れ・損傷)があると補修費の対象になる |
安全に使うポイント | ✅ 傷をつけず、熱や水で室内を汚損しない設置・管理が大切 |
トラブル回避法 | ✅ 設置前に管理会社へ確認 or 設置時の写真を残すと安心 |
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