酷暑の中での部活動は、非常に危険を伴う可能性があります。安全に活動するためには、厳重な対策と判断基準が必要です。以下に「酷暑の中で部活しても安全かどうか」「安全に行うための具体的な対策」「活動中止を検討すべき条件」について詳しく解説します。
■ 酷暑の中で部活しても安全か?
結論から言うと、条件次第で安全に行えることもあるが、無理に活動を続けるのは極めて危険です。
理由:
- 35℃を超えるような酷暑下では、熱中症のリスクが飛躍的に上がる。
- 特に運動部は発汗や体温上昇が激しく、体温調節機能が追いつかなくなる。
- 中高生は体の成長段階にあり、大人よりも熱中症になりやすい。
判断材料として:
- 環境省が発表する WBGT(暑さ指数)が28℃以上であれば「激しい運動は中止」。
- WBGTが31℃以上なら「原則運動は禁止」とされています。
■ 安全に部活を行うための具体的な対策
【1. 環境と時間の調整】
- 朝・夕など涼しい時間帯に活動する
- 可能なら午前7~9時や、午後5時以降に限定。
- 日陰や屋内を活用する
- 屋外でも木陰やテント、ミスト扇風機の設置が望ましい。
- 活動時間は短く区切る
- 15〜20分ごとに5分以上の休憩を取る。
【2. 水分・塩分補給】
- 開始前・途中・終了後に必ず水分を摂取
- 喉が渇く前に飲むのがポイント。
- スポーツドリンクや経口補水液が理想。水だけでは塩分が不足し危険。
- 氷嚢(アイスバッグ)や冷却タオルを常備し、首や脇を冷やす。
【3. 服装・装備の工夫】
- 吸汗速乾素材のウェアを使用。
- 帽子・タオルで直射日光を避ける。
- 練習中もマスクの着用は基本的に避ける(呼吸が苦しくなるため)。
【4. 指導者・管理者の役割】
- WBGT計測器の使用で暑さ指数を把握。
- 少しでも異変を感じたら活動中止の判断を即座に下す。
- 生徒に「無理せず申し出る文化」を作る。
【5. 体調チェックと見守り体制】
- 毎日の体温チェックや健康観察。
- 練習前に「めまい・だるさ・食欲不振」がある生徒は見学に回す。
- 見守り担当者を配置し、倒れたときにすぐ対処できるようにする。
■ 部活を中止すべき具体的な条件
条件 | 対応 |
---|---|
WBGT 31℃以上(危険) | 原則すべての運動を中止 |
WBGT 28〜30℃(厳重警戒) | 激しい運動は避け、活動を縮小 |
熱中症警戒アラートが発令中 | 可能な限り活動を延期・中止 |
複数名が体調不良を訴えた | 即時中断・医療機関への連絡も視野に |
屋外無風状態+強烈な直射日光 | 屋内や日陰への変更が必須 |
■ まとめ:酷暑の部活は「命を守る判断」が最優先
ポイント | 内容 |
---|---|
基本原則 | 「やめる勇気」が最も重要な対策 |
活動する場合 | 涼しい時間、短時間、頻繁な休憩、水分・塩分補給を徹底 |
管理体制 | 指導者が環境データに基づいて柔軟に判断する必要あり |
代替案 | 筋トレ・ストレッチ・戦術講義など、屋内活動に切り替える |
✅ アドバイス:
「気合」や「根性」では体は守れません。部活動で一人でも命を落とすことがあってはなりません。酷暑の日は勇気を持って練習を取りやめることが、教育的にも正しい判断です。
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