オフィスが「かなり暑い」と感じるのは、単に気温の問題だけでなく、建物の構造・空調設計・人や機械の発熱・運用ルールなどが複合的に絡んでいます。
ここでは、オフィスが暑くなる主な原因と、現実的かつ効果的な対策を詳しく解説します。
■ オフィスが暑くなる主な原因
1. 🧱【建物の構造や立地による蓄熱・直射日光】
- 大きな窓やガラス張りのビルでは、日射熱が室内に侵入しやすく、温室のように暑くなる。
- 特に南向き・西向きのオフィスや、最上階・角部屋などは、外気の熱が直に伝わりやすい。
2. 🔌【人・機械からの発熱】
- PC、コピー機、サーバーなどからの排熱が室温を上昇させる。
- 人が多いフロアでは、体温・呼気による熱と湿気も加わる。
3. ❄️【空調の設定温度が高すぎる/冷気が届かない】
- 省エネの名目で冷房設定が28℃前後にされていることが多い。
- エアコンの吹き出し口から離れた場所では、冷気が届かず暑く感じる。
- オフィスのレイアウトによっては、空気の流れが悪く、熱気が滞留する場所ができる。
4. 🚫【窓が開けられない・換気が不十分】
- 高層ビルや密閉型オフィスでは、自然換気ができず、空気がこもる。
- 特に古いビルは、換気設備の能力が不足しており、熱とCO₂がたまって暑さを感じやすい。
5. 🕓【時間帯・日当たりによる温度差】
- 午後から夕方にかけて、西日の影響で急激に暑くなる場所がある。
- 冷房の効き始めが遅く、午前中から暑さが蓄積していることも。
■ オフィスの暑さ対策(施設管理・個人でできること)
✅【A】建物・空調管理側が行うべき対策
対策 | 内容 |
---|---|
冷房温度を25~26℃に見直す | 特に多人数で働く空間では、28℃では高すぎる。 |
サーキュレーターで空気を循環させる | 冷気の偏りを防ぐ。特に奥まった席に有効。 |
遮熱フィルム・ブラインド・遮光カーテンを窓に設置 | 外からの輻射熱を軽減し、室温上昇を抑える。 |
空調のメンテナンス・定期点検の実施 | 効きが悪い場合、フィルターやガスの問題がある可能性。 |
換気装置の能力強化・CO₂モニターの導入 | 湿気・熱気がこもらないよう自動制御。 |
✅【B】従業員側ができる暑さ対策(自己防衛策)
対策 | 内容 |
---|---|
扇子・卓上ファン・ネックファンを活用 | 自席でも風を起こして体感温度を下げる。 |
冷感スプレー・冷却タオル・保冷剤を使う | 局所的に冷やすとかなり楽になる。 |
水分補給をこまめに(お茶・水・スポーツドリンク) | エアコンで喉が乾きにくくても、脱水に注意。 |
服装を涼しく・軽くする(社内規定の範囲で) | ノーネクタイ、半袖、速乾素材などが有効。 |
西日や日差しが強い時間帯はカーテンを閉めるなど工夫 | 窓際の席の人は特に重要。 |
✅【C】レイアウトや運用面での工夫
対策 | 内容 |
---|---|
エアコンの風が届きにくい席に扇風機を配置 | 風の流れを補完するだけでも体感が変わる。 |
高発熱機器は集約し、排熱がこもらないように配置 | コピー機やサーバーはできるだけ人から離す。 |
植物の設置で見た目にも清涼感+湿度調整 | 観葉植物はわずかに空気の清浄効果も。 |
■ 注意すべきリスク
リスク | 内容 |
---|---|
熱中症(室内でも) | 長時間の高温環境で意識低下・頭痛などの症状が出る。 |
集中力・判断力の低下 | 室温が28℃を超えるとパフォーマンスが明確に下がる。 |
職場の不満・ストレス増加 | 暑さが改善されない職場は「働きにくい」と感じやすい。 |
■ まとめ表
原因 | 内容 | 主な対策 |
---|---|---|
外からの熱 | 窓・壁の直射日光 | 遮熱フィルム、ブラインド |
空調不足 | 設定温度・配置不良 | 設定見直し、サーキュレーター活用 |
発熱源 | PC・コピー機・人 | 機器の配置改善、換気強化 |
換気不良 | 熱がこもる構造 | CO₂モニター、換気装置の強化 |
レイアウトの問題 | 冷気が届かない | 空気循環と席配置の工夫 |
✅ 最後に:オフィスの暑さは「快適性・効率・安全性」に直結する
オフィスが暑いと、生産性だけでなく健康・モチベーションにも悪影響が出ます。
「空調設定」と「空気の流れ」の2点を中心に、建物全体での工夫と、個人の自衛的対策の組み合わせが鍵になります。
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