最近のiPhoneが昔よりも明らかに高くなっている理由は、単に「値上げしたから」だけではありません。
そこにはAppleの戦略・技術革新・世界情勢・為替など、いくつもの複合的な要因が絡んでいます。
ここでは「なぜ昔よりもiPhoneが高くなったのか?」を、わかりやすく、ポイントを押さえて詳しく解説します
✅ 1. 機能・性能の進化にともなう「原価の上昇」
昔のiPhoneと比べると、今のiPhoneはまさに超高性能コンピューター。そのぶん、部品や設計にもお金がかかっています。
時代 | SoC | カメラ | ディスプレイ | 材質 |
---|---|---|---|---|
iPhone 4〜6 | A4〜A8 | シングル | 液晶(HD程度) | アルミやプラスチック |
iPhone 12〜15 | A14〜A17 Pro | デュアル〜トリプル(+LiDAR) | 有機EL(HDR対応) | セラミック・ガラス・チタン |
- SoC(プロセッサ):処理性能はMac並みに。製造コストも高い。
- カメラ:センサー大型化・ProRAW・望遠など、もはや一眼レフに近いレベル。
- 素材:最近では「チタン」などの高級素材も採用され、製造コストが増加。
📌 性能が爆上がり=本体価格が高くなるのも当然。
✅ 2. ディスプレイの高性能化(特に有機EL)
- iPhone X以降、有機EL(OLED)ディスプレイが主流に。
- 高解像度・高輝度・高リフレッシュレート(ProMotion 120Hz)対応など、 非常に高価なパネルを採用。
📌 かつての液晶(LCD)よりも圧倒的に高コスト。
✅ 3. 為替の影響(特に円安)
- 日本での価格が上がっている最大の理由の一つが円安。
- Appleはドル建てで価格を決めているため、円の価値が下がればiPhoneは高くなる。
例:
iPhone 13(発売当初)→ 約98,800円(1ドル=110円前後)
iPhone 15 → 約124,800円(1ドル=150円前後)
📌 為替レートの違いで、日本国内の価格が数万円も変動する。
✅ 4. iPhoneのプレミアム路線化(Proモデル重視)
Appleはここ数年、
- 「iPhoneを安いもの」としてではなく、
- 「プレミアム機器・ラグジュアリーブランド」として位置づけており、
その戦略により、Proシリーズを中心とした価格帯の引き上げが進行中。
モデル | 発売時価格(日本) |
---|---|
iPhone 6(2014) | 約72,800円 |
iPhone X(2017) | 約112,800円 |
iPhone 15 Pro(2023) | 約164,800円 |
📌 「Proが売れるなら、もっと価格を上げてよい」というブランド戦略がある。
✅ 5. 物価上昇・世界的インフレの影響
- 世界的に原材料・輸送費・人件費などが高騰しており、製造原価全体が上がっています。
- 特にAppleの工場が集中する中国・インド・東南アジアでも人件費が上昇中。
📌 原価高=価格高、という構図は避けられません。
✅ 6. iPhoneが“生活インフラ”になったこと
昔は「スマホ=便利な通信機器」でしたが、今や:
- 写真・動画・決済・SNS・仕事・ナビ・ヘルスケア… → iPhone1台で何でもできる時代に。
その結果、**「価格は高いけど生活の中で元は取れている」**という認識が広がり、Apple側も価格を上げやすくなっています。
✅ 7. 「円安+グローバル統一価格」の影響で、日本だけ割高感がある
Appleは近年、各国の価格差を少なくする方針をとっています(世界のどこでも同じくらい払ってね、という考え方)。
しかし円安が進むことで、日本では相対的に割高感が強く出てしまっているのです。
📌 まとめ:「性能進化+世界経済」が価格上昇の背景に
要因 | 内容 |
---|---|
性能アップ | SoC・カメラ・ディスプレイ・素材の進化 |
プレミアム戦略 | Proモデル主体・高級志向 |
為替 | 円安で日本価格は特に上がる |
原材料・人件費の上昇 | インフレと物流コスト増加 |
Appleのブランディング | 生活必需品化=価格上げても売れる |
💡 補足:価格上昇が止まらない中での対策
- 無印モデルやSEシリーズを選ぶことで価格を抑える
- Apple認定整備済製品(新品同様のリファービッシュ)を狙う
- 必要以上にProモデルを選ばない(見栄より実用)
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