ウンコ(便)の成分は、約75%が水分で、残りの約25%が固形物です。固形物には、消化されなかった食べ物のカス、腸内細菌、腸粘膜の剥がれた細胞、消化液の残りなどが含まれます。以下に詳しく説明します。
1. 水分(約75%)
便の大部分は水分で、腸の健康状態や食事内容、水分摂取量によって割合が変わります。十分な水分を摂取しないと便が硬くなり、便秘の原因になります。
2. 固形物(約25%)の内訳
(1) 食べ物のカス(約30%)
消化されなかった食物繊維(野菜、果物、穀類などに含まれるセルロースやリグニン)
未消化の脂肪やたんぱく質の残り(特に脂質の消化吸収が悪い場合、脂肪便として現れる)
未消化のデンプン(一部の炭水化物は腸内細菌によって分解されるが、一部はそのまま排出される)
(2) 腸内細菌(約30%)
腸内の善玉菌・悪玉菌・日和見菌(大腸に生息する細菌の死骸や生きた菌)
発酵・腐敗産物(腸内細菌が食物繊維やタンパク質を分解してできるガスや代謝産物)
(3) 剥がれ落ちた腸粘膜(約10~20%)
腸の細胞は常に新陳代謝を繰り返しており、古い細胞が剥がれて便として排出される。
(4) 消化液・胆汁成分(約10~20%)
胆汁色素(ビリルビンが腸内で変化したステルコビリンが便の茶色の原因)
胆汁酸(脂肪の消化・吸収を助けるが、一部は再吸収されずに便として排出される)
(5) 無機成分(約10%)
カルシウム、リン、マグネシウム、鉄、ナトリウム、カリウムなどのミネラルが便として排出される。
一部の薬剤や食品添加物の成分もここに含まれる。
3. 便の色・匂いを決める成分
茶色の原因:胆汁由来の「ステルコビリン」
黒い便の原因:胃や腸の出血、鉄分の多い食事や薬
赤い便の原因:大腸出血、ビーツなどの赤色食品
黄色や白っぽい便の原因:脂肪の吸収不良、胆汁の分泌異常
悪臭の原因:腸内細菌によるタンパク質の分解で発生する「インドール」「スカトール」「硫化水素」
まとめ
ウンコは単なる「食べカス」ではなく、腸内細菌や消化液の残り、腸の新陳代謝による細胞の剥がれなど、多くの成分が含まれています。食生活や腸内環境によって成分バランスが変わり、便の色や匂い、硬さが変化します。
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