公務員でも失職のリスクや先行きの不安がある理由
「公務員=安定」というイメージは根強いですが、現実には公務員も決して安泰ではなく、失職のリスクや将来への不安が存在します。以下の点から、公務員の職が必ずしも「安定」とは言えない理由を詳しく解説します。
1. 公務員でも失職のリスクがある
(1) 懲戒処分による免職(解雇)
公務員は法律で守られている一方、不祥事や規律違反をすると厳しく処分され、最悪の場合は懲戒免職(クビ)になります。
特に以下のような行為は、免職につながる可能性があります。
✅ 犯罪行為(横領・詐欺・飲酒運転・公金の私的流用・窃盗・暴力事件など)
✅ 職務上の重大な過失(公的情報の漏洩・業務怠慢・重大ミスなど)
✅ ハラスメント行為(セクハラ・パワハラ・不適切なSNS発言など)
✅ 副業禁止規定の違反(無断で収益を得る行為)
特に最近はSNSの監視が厳しく、不適切な発言や投稿が原因で処分されるケースも増えています。
(2) 依願退職(自主的な退職)に追い込まれるケース
懲戒免職にはならなくても、上司からの強い圧力や組織内での冷遇により自主的な退職を余儀なくされるケースもあります。
たとえば以下のような場合です。
✅ 大きなミスをして人事評価が下がり、異動を繰り返される
✅ 不祥事を起こし、居づらくなって自主退職に追い込まれる
✅ 職場の人間関係が悪化し、精神的に耐えられなくなる
公務員は解雇されにくいとはいえ、職場内での立場が悪くなれば、辞めざるを得ない状況になることもあります。
(3) 財政難によるリストラ(整理退職)
地方自治体や公的機関の財政が悪化すると、職員のリストラ(整理退職)が実施されることがあります。
たとえば以下のようなケースです。
✅ 地方自治体の財政赤字が深刻化し、人件費削減のために早期退職を勧められる
✅ 業務の民間委託が進み、部署ごと廃止される(例:公共施設の運営が民間企業に移行)
✅ 独立行政法人や特殊法人が廃止・統合される(例:郵政民営化による日本郵政公社の廃止)
特に地方公務員は、人口減少や財政難の影響を受けやすく、「安定」ではなくなりつつあります。
2. 公務員の将来が不安視される理由
(1) 給与や待遇の悪化
かつては「公務員=高待遇」と言われていましたが、現在は給与の伸び悩みや待遇の低下が問題視されています。
✅ ボーナスの削減(財政難の自治体では特に顕著)
✅ 初任給の低迷(特に地方公務員は民間企業より低いことがある)
✅ 年功序列の維持が難しくなり、昇給ペースが鈍化
近年では民間企業の待遇が改善される一方で、公務員の給与は「民間の平均」に合わせて抑えられる傾向があり、給与面での魅力が薄れてきています。
(2) 業務負担の増加
公務員は一見「楽な仕事」と思われがちですが、実際には業務負担が増え、ブラック化が進んでいる部署も多いです。
✅ 人手不足による長時間労働(特に地方自治体)
✅ 災害時や緊急対応の負担が大きい(台風・地震・コロナ対応など)
✅ 窓口業務でのクレーム対応(市役所・税務署など)
✅ DX(デジタル化)による業務効率化が進まず、旧態依然の働き方が続く
公務員の仕事は増える一方で、人員が増えにくいため、過労による精神的な負担が大きくなっているのが現状です。
(3) AIやデジタル化による仕事の減少
最近では、行政サービスのデジタル化が進み、公務員の仕事が減少する可能性が高まっています。
✅ マイナンバーの普及 → 窓口業務の削減
✅ AIによる書類審査の自動化 → 事務職の業務削減
✅ 電子申請の普及 → 紙ベースの手続きが不要に
「公務員の仕事はなくならない」と言われてきましたが、将来的には不要な部署や業務が大幅に削減される可能性もあります。
(4) 若手公務員の離職率の上昇
近年、公務員を辞める若手が増えています。理由としては、
✅ 給与が民間と比べて伸びにくい
✅ 仕事が単調でスキルが身につかない
✅ ブラックな職場環境(過重労働・パワハラ)
✅ 副業ができず、収入の多様化が難しい
特に民間企業ではリモートワークの普及や副業解禁が進んでいる一方で、公務員は厳しい規制により自由度が低いため、より魅力を感じなくなっている人も増えています。
3. まとめ:公務員も決して「安定」ではない
公務員は解雇されにくいものの、以下のリスクがあるため、決して安定とは言えません。
1️⃣ 懲戒免職や依願退職に追い込まれる可能性
2️⃣ 財政難による人員削減や早期退職勧奨のリスク
3️⃣ 給与や待遇の低下が進み、経済的な安定性が揺らぐ
4️⃣ 業務負担の増加により、精神的なストレスが増大
5️⃣ デジタル化の進展で、将来的に仕事が削減される可能性
6️⃣ 民間企業と比較して、キャリアの自由度が低くなりがち
「公務員=一生安泰」という時代は終わりつつあります。
安定した生活を送りたいなら、公務員であってもスキルを磨き、将来の変化に対応できる力をつけることが必要です。
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