いちご狩りで提供される「いちご食べ放題」は、楽しみながらたくさん食べられる人気の体験ですが、「元を取れるのか?」や「農園側の粗利はどうなっているのか?」は興味深いポイントです。以下に詳しく解説します。
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1. いちご狩りの料金設定と元を取るための量
料金の相場
一般的な料金:30~40分食べ放題で、大人1人あたり1,500~3,500円が相場。
料金は地域や品種、シーズンによって異なります。
収穫ピーク(1~3月)は高め、終盤(4~5月)は安くなる傾向。
いちご1粒あたりのコスト
スーパーでの販売価格
スーパーで販売されるいちごは、1パック(300g程度)で400~1,000円程度。1粒は10~15gなので、1粒の値段は約30~60円。
いちご狩りで元を取る量
仮に1,800円の料金の場合、30円/粒とすると 60粒(約600g)、50円/粒とすると 36粒(約360g)で元を取る計算です。
元を取る難しさ
実際にはいちごをたくさん食べると甘さで満腹感を感じやすく、30分で60粒以上食べるのは簡単ではありません。
平均的な人が食べられる量は 20~40粒(約200~400g) で、料金分を超えるのは難しいことが多いです。
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2. 農園側の粗利
農園がいちご狩りで得る利益は、次のようなコストと売上の構造に左右されます。
主なコスト
1. 栽培コスト
温室運営(暖房、電気、照明、資材):大きな割合を占める。
肥料・農薬・苗の購入費。
人件費(管理、収穫準備)。
水道費。
1株あたりの栽培コストは、年間で500~1,000円程度。
2. いちご狩り用の運営コスト
接客スタッフの人件費。
施設の維持管理費(駐車場、トイレなどの整備)。
消耗品(カップ、ハサミなど)。
収益構造
1株からの収穫量:1株あたり約500~700g(約30~50粒)。
来客あたりの消費量:1人が食べるのは200~400g程度(20~40粒)。
販売用に収穫した場合と比べると、1人あたりのいちごの原価は200~400円程度。
粗利の計算例
料金設定:1,800円。
コスト:1人が食べる分のいちごの原価300円+人件費、運営費200~300円程度。
粗利:1,200~1,300円程度。
農園側は、販売用いちごより高い利益率を得られることが多いです。さらに、観光農園は直販と同様、中間業者を通さないため、収益性が高いです。
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3. なぜいちご狩りが成り立つのか?
顧客の満足度
単なる「いちご購入」ではなく、体験型レジャーとしての価値が料金に含まれています。
新鮮ないちごをその場で収穫して食べられる楽しさは、多くの人にとって価格以上の満足を与えます。
見た目や収穫タイミングの調整
商品価値の低い果実の活用:市場に出すには小さすぎる、形が悪いなどのいちごも食べられるため、無駄を減らせる。
収穫の手間が省ける:顧客自身が収穫するため、農園側はその分の人件費を削減できます。
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4. まとめ
消費者側:いちご狩りで元を取るのは難しい場合が多いですが、体験そのものの価値を楽しむのが目的です。
農園側:粗利は高く、いちご狩りは観光農園にとって収益性の高いビジネスモデルです。特に直接販売や商品価値の低い果実を活用できる点が大きなメリットとなります。
いちご狩りは「いちごを食べる」以上の楽しみを提供する体験型ビジネスとして成功していると言えます。
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