分娩室が「寒い」「体が震えるほど冷える」と感じるのは珍しいことではありません。実はこれ、医療安全・新生児管理・設備仕様が重なった結果です。ただし、対策を誤ると産婦の負担増大・お産の進行遅延・産後トラブルにつながることもあります。
ここでは原因 → 現実的な対策 → その場での対処法 → 実際によくある失敗談まで、産婦目線・医療現場目線の両方から詳しく解説します。
分娩室が寒くなりやすい主な原因
① 衛生管理・感染対策で換気が強い
分娩室は
・出血
・体液
・新生児対応
があるため、空気の清浄度と換気が最優先。
➡ 暖房を入れていても、暖気が常に外へ逃げる。
② 医療スタッフは暑くなりやすい
助産師・医師は
・ガウン
・手袋
・マスク
を着用し、分娩介助で常に動きます。
➡ スタッフ基準で空調が設定され、産婦には寒く感じやすい。
③ 分娩台・医療機器が冷たい
- 分娩台(ビニール・金属)
- 器械台
- 床材(ビニール・樹脂)
➡ 皮膚接触で体温が奪われやすい。
④ 産婦は体温を失いやすい状態
- 陣痛による体力消耗
- 発汗後の急冷
- 下半身や腹部の露出
- 出血や羊水による体温低下
➡ 寒さを感じやすい条件が揃っている。
⑤ 新生児対応とのバランス
分娩室は
「母体」「新生児」「医療者」
それぞれに適温が異なる。
➡ 結果として、産婦にとって寒めになりがち。
分娩室が寒いことによるリスク
- 陣痛時の体のこわばり
- いきみづらさ
- 分娩進行の遅れ
- 強い疲労感
- 産後の悪寒・震え
- 回復遅延
➡ 「寒い=不快」だけでなく、お産の進みにも影響。
分娩室で行われている基本的な対策(医療側)
① 産婦の保温
- バスタオル・毛布
- 温風ヒーター
- 腹部・足元の重点保温
② 新生児用の局所加温
- 赤ちゃん用保温器
- 出生直後のタオル保温
➡ 室温全体を上げず、必要な場所だけ温める。
③ 分娩進行に合わせた空調調整
- いきみ時はやや低め
- 休憩・産後は保温重視
産婦側ができる現実的な対策(事前・当日)
①「寒がり」を必ず事前に伝える
- 助産師
- 看護師
に遠慮なく伝える。
➡ 毛布追加・足元保温など対応が変わる。
② 持ち込みできる防寒アイテム
- レッグウォーマー
- 腹巻き(分娩の邪魔にならないもの)
- 厚手の靴下
- ブランケット
※ 事前に病院の持ち込みルールを確認。
③ 陣痛の合間に体を冷やさない
- 汗をかいたらすぐ拭く
- 濡れたタオルは交換してもらう
- 冷えを感じたら即申告
④ 産後の悪寒は我慢しない
- 出産後の震え・寒気はよくある
- 保温・点滴・薬剤対応が可能
➡ 我慢する理由はない。
その場ですぐできる対処法
- 毛布を追加してもらう
- 足元を重点的に温めてもらう
- 体位を変えて冷えを軽減
- 付き添いがいれば上着を掛けてもらう
※ 「忙しそうだから言いづらい」はNG。
よくある失敗談(本当に多い)
❌「分娩室は寒いもの」と我慢
→ 陣痛中に体が強張り
→ いきみづらく時間が延びた
❌ 汗を放置して冷える
→ 発汗後に急激な冷え
→ 産後に強い悪寒・震え
❌ 事前に寒がりを伝えなかった
→ 最低限の保温のみ
→ 「言えば対応できた」と後悔
❌ 産後すぐの冷えを軽視
→ 回復が遅れる
→ 産後疲労が強く残る
特に冷えに注意が必要な人
- 痩せ型
- 貧血気味
- 長時間分娩
- 冬季出産
- 初産婦
➡ 体力消耗+冷えが重なりやすい。
まとめ(重要ポイント)
- 分娩室が寒いのは医療上の理由がある
- ただし産婦の冷えは分娩進行に影響
- 寒さは遠慮せず、必ず伝える
- 保温は「快適さ」ではなく医療ケアの一部
分娩室の寒さは「仕方ない」部分もありますが、対策できる寒さでもあります。
産婦が我慢しないことが、安全でスムーズなお産につながります。


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