「第一種換気の家=暖かいはずなのに寒い」という相談は非常に多いです。
結論から言うと、第一種換気そのものが悪いのではなく、設計・調整・使い方のミスで寒くなっているケースがほとんどです。
ここでは、
- 第一種換気住宅が寒く感じる本当の原因
- 暖房を使っても暖まらない時の具体的な対策・対処法
- 実際によくある失敗談
を、仕組みが分かる形で詳しく解説します。
1. 第一種換気の住宅が寒く感じやすい主な原因
① 熱交換換気=「無暖房」だと誤解している
第一種換気(熱交換換気)は、
- 排気の熱を
- 給気側に“回収”する
仕組みですが、重要なのは👇
熱を「再利用」するだけで、熱を「生み出す」装置ではない
という点です。
👉 室内が冷えている状態で換気すると
冷えた空気を回収して冷えたまま戻すだけになります。
② 熱交換率を過信している
よくある勘違い:
- 熱交換率90%=外気がほぼ室温になる
と思っている
実際は
- 外気0℃
- 室温20℃
- 熱交換率90%
でも、給気温度は約18℃前後
👉 **足元や体に当たると十分「冷たい」**温度です。
③ 給気口の位置・風向きが悪い
第一種換気は
- 天井給気
- 壁給気
が多いですが、
- 人の真上
- ソファ・ベッドの近く
- 床近く
にあると、冷気を直接浴びる形になります。
👉 空気温度は高くても、体感が極端に寒くなります。
④ 換気量が過剰(設計 or 初期設定ミス)
第一種換気は「機械制御」なので、
- 必要以上の換気量
- 強運転固定
- フィルター詰まりによる風量バランス崩れ
が起きると、常に冷気を入れ続ける状態になります。
⑤ 暖房と換気が連動していない
よくある状況:
- 換気は24時間フル稼働
- 暖房はON/OFFが多い
👉 暖房で作った熱を、換気で外へ捨てている状態です。
2. 暖房を使っても暖まらない時の対策・対処法
【最優先】「冷やさない」運用に切り替える
● 暖房は弱くても連続運転
第一種換気住宅では
- 強→切る→寒い → ×
- 弱〜中でつけっぱなし → ◎
👉 熱交換は“維持”が得意、立ち上げは苦手です。
【即効性が高い】空気を動かす
● サーキュレーター必須
- 天井に溜まる暖気を下へ
- 給気で冷えた空気を拡散
👉 これだけで体感温度が2℃以上変わることも普通です。
【換気対策】第一種換気の正しい使い方
● 冬は「弱運転」が基本
- 常時強運転 → 寒くなる
- 弱〜中運転 → 安定
※ 法規・メーカー推奨範囲内で調整
● フィルター清掃を最優先
フィルターが詰まると、
- 給排気バランスが崩れる
- 冷気だけ強く入る
👉 冬の寒さの原因No.1と言っても過言ではありません。
【給気対策】冷気の直撃を防ぐ
- 給気口の風向きを壁沿いに
- 家具配置で人に直接当てない
- 給気口下に座らない・寝ない
👉 「風を感じない」だけで寒さは激減します。
【足元対策】第一種換気でも必須
- 厚手ラグ
- 断熱シート
- 室内用スリッパ
👉 第一種換気住宅は床温度が低くなりやすいため、
足元対策の効果が非常に大きいです。
3. 第一種換気住宅で本当に多い失敗談
失敗談①「第一種換気なら暖房はいらないと思った」
高性能住宅なのに寒い…
原因
- 初期加熱不足
- 熱交換への過信
👉 第一種換気=暖房不要ではありません。
失敗談②「換気は強い方が良いと思っていた」
空気がきれいになると思って…
結果
- 冬は寒い
- 光熱費が上がる
- 体調不良
👉 換気量は“多ければ良い”わけではない。
失敗談③「設定温度を上げ続けた」
26℃でも寒い
実際は
- 冷気が直接当たっている
- 床・窓が冷えている
- 空気が循環していない
👉 温度ではなく“風と位置”の問題です。
失敗談④「換気と暖房を別物として考えた」
それぞれ動いていればOKだと思った
👉 第一種換気住宅は“暖房とセット運用”が前提です。
4. まとめ(重要ポイント)
- 第一種換気の家が寒いのは
👉 性能不足ではなく「調整・運用ミス」 - 暖房が効かない時は
👉 連続暖房+換気弱運転+空気循環が最優先 - 我慢や誤解は
👉 寒さも光熱費も悪化
第一種換気の住宅は本来、
**正しく使えば「冬も温度が安定しやすい家」**です。


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