- ツキノワグマ は 嬬恋村(群馬県吾妻郡)にも「生息エリア/管理対象地域」の一つとして含まれており、実際に目撃・出没情報も近年報告されています。
- 季節としては、春〜夏〜秋にかけて活動が活発で、人里への下りや遭遇のリスクが高まりやすいです。
- クマは本来、人を避ける傾向がありますが、人や生ゴミ・果物など食べ物のある場所に近づいたり、子連れの母グマだったりすると危険性あり。
- 駆除(=捕獲・処分など)は「すぐ駆除すべき」という単純なものではなく、法令・自治体の管理のもと、「本当に危険な個体」に絞って対応するのが基本です。
- だからこそ、**「予防・警戒・共存」**を基本にした対策が重要 — 家庭・農地・ハイキングなど状況に応じた備えをすることが大切です。
以下、嬬恋村の状況、時期、リスク、駆除の考え方、そして具体的な対策を順に解説します。
🐻 嬬恋村にクマはいるのか — 状況・生息の有無
- 群馬県が策定している 群馬県ツキノワグマ適正管理計画 によれば、嬬恋村は「越後・三国地域個体群」の管理対象市町村のひとつに含まれています。つまり、少なくとも“潜在的な生息地または通過地”とされている地域です。
- 実際、2025年には複数の直近の「出没・目撃」報告があります:たとえば 2025年8月31日 に嬬恋村大字鎌原でクマの目撃が報じられています。
- また、2025年7月12日 に嬬恋村今井で、7月30日 に今井石津で、さらに 7月11日夜 に三原で、それぞれクマの出没が報じられており、夏場に複数の地点で目撃されています。
- これらから、嬬恋村に「クマはいる/完全に排除されているわけではない」という状況 — 実際の出没例もあり、住民や訪問者は注意すべき地域と考えられます。
📅 多い時期・活動が活発な季節
一般的にツキノワグマの活動パターンを踏まえると、以下の時期に注意が必要です:
- 春(冬眠明け〜初夏):冬眠明けで餌を探すために活動を始め、移動も活発になります。
- 夏(特に梅雨明け〜盛夏):山の餌が不足する/熟が少ない場合、人里や集落近くまで下りてくることがあります。
- 秋(実りの季節、冬眠前の蓄えの時期):果実や木の実を求めて行動が増え、人里との接点が増える可能性があります。
嬬恋村でも 7月〜8月 に目撃情報が複数出ており、典型的な「夏の人里近くへの出没」の傾向が確認されています。
また、2025年10月にも別の近隣地域でクマの“ブラックベア”(英語表記)での出没報告があるため、秋にも注意が必要です。
⚠️ なぜ危険か — 人へのリスク
クマ — 特にツキノワグマ — は基本的に「人を避ける」性質ですが、以下のような条件がそろうとリスクが高まります:
- 子連れの母グマ:子グマを守るために攻撃的になる場合があります。
- 食べ物(生ゴミ、果実、収穫物、畑の残渣など)に惹かれて人里に近づく個体。特に夜間や早朝など、人の気配が少ない時間帯は要注意。
- 出没地域で不意に遭遇:林道、山道、畑や果樹園付近、集落の端など、クマが通りやすい場所での不用意な行動。
つまり、嬬恋村のような「生息圏または通過域に近い地域」では、人とクマが“近くにいる可能性”が常にあるという認識が必要です。
「駆除すべきか?」 — 法令・現実の判断
- 群馬県のツキノワグマ管理は、単なる「駆除を増やす」アプローチではなく、 「科学的・計画的な管理」+「人とクマの適切な関係の構築(=共存)」 を目指すものです。
- つまり、目撃情報があるからといって 住民個人が勝手に捕獲・駆除するのは 法令上も倫理上も適切ではありません。
- 駆除や捕獲は、 「居座る危険な個体」「過去に人や家畜・農作物への被害を出した個体」 に限って、自治体・県・猟友会などの正式な判断と手続きで実施されるのが基本です。
→ 結論としては、 「むやみにクマを駆除」ではなく「まずは予防と共存を前提とした対応」が妥当 です。
🛡️ 嬬恋村で取るべき具体的な対策・注意点
・生活圏・農地での対策
- 生ゴミ・残飯、果物、収穫後の残渣などは屋外に放置せず、確実に管理・封じる。
- 果樹・畑・農地は収穫後の残果や落果を放置せず回収、生ゴミなどもすぐ処理。クマの餌場を減らす。
- 農地・果樹園・家畜舎への防護柵や電気柵、防獣設備の設置を検討。
・山や林・ハイキング、散歩する時の注意
- 単独行を避け、複数人で行動する。
- 鈴やラジオなど「音の出るもの」を常に携行し、人の存在をクマに知らせる。静けさで人がいることを悟らせないことが、出会い頭を防ぎやすい。
- 朝夕や夜間の散歩・農作業は注意。特に人の気配が少ない時間帯は危険が高い。
- 子連れ歩きや小さい子どもを連れての山道・林道は慎重に — 母グマの警戒本能に注意。
・「もしクマを見かけたら」の行動
- 焦らず静かに距離を取り、背を向けず、ゆっくり後退。
- 決して走って逃げず、大声も出さず、冷静に安全な建物や車などがあればそこに避難。
- 足跡・糞・木の引きずり跡・痕跡などを見つけたら無理に近づかず、その場から離れる。
・地域としての備え
- 目撃情報や痕跡は町役場や県の窓口に通報。情報を共有し注意喚起や見回りにつなげる。
- 地域住民で「出没注意」「ゴミ管理」「防獣対策」を協力。個人だけでなく地域ぐるみでの備えが効果的。
- 県が定める管理計画や通達、マップ(たとえば KumaMap など) を定期的にチェック。
✅ なぜ「共存」+「管理」が主流なのか
- ツキノワグマは大型哺乳類であり、群馬県の森林・山岳環境の重要な構成要素。むやみに駆除を続けると、生態系のバランスを崩す恐れがあります。
- 同時に、人身被害や農林被害を防ぐために「被害防止」「適切な管理」「人とクマの棲み分け」が求められており、それが県の方針でもあります。
- だから「クマ=害獣」「すぐ駆除」ではなく、「生息を認めながら被害を防ぐ」「共存を模索する」というアプローチが現実的かつ理にかなっています。


コメント