除雪機が全く動かない場合は、原因が「エンジンがかからない」「走行しない」「オーガが回らない」のどれかに分かれます。原因を見極めずに無理に操作すると故障が悪化するので、段階的に確認・対処することが重要です。以下に、原因別のチェック方法と具体的対処法を詳しく解説します。
◆ 1. 安全第一の基本行動
- エンジン停止・キーオフ
- 電動/ハイブリッド式は主電源も切る
- 周囲の安全確保
- オーガや投雪口に手や道具を入れない
- 雪や障害物の周囲から離れる
- 異常の兆候を確認
- 焦げ臭い、異音、煙の有無
- 無理に動かすと危険
◆ 2. 原因別チェック・対処法
■ A. エンジンがかからない
● 原因
- 燃料切れまたは古いガソリン
- プラグの汚れ・湿り
- キャブレター詰まり
- チョーク・スロットル不適切
- バッテリー上がり(セル始動のみ)
● 対処法
- 古いガソリンを抜き、新しいガソリンに交換
- プラグを外して乾拭き、隙間を確認
- キャブレター清掃(キャブクリーナー)
- チョーク・スロットルをマニュアル通りに調整
- セルが回らない場合はバッテリー充電または交換
■ B. 走行しない(エンジンはかかる)
● 原因
- 走行ベルト切れ/外れ
- デフレバー誤操作
- 走行クラッチワイヤーの伸び
- 摩擦ディスク(フリクションホイール)の摩耗
● 対処法
- ベルト状態確認 → 切れや摩耗なら交換、外れているだけなら掛け直し
- デフレバーが「走行側」か確認
- クラッチワイヤー調整
- 摩擦ディスクが磨耗している場合は交換
■ C. オーガが回らない(雪を飛ばせない)
● 原因
- オーガベルト切れ
- せん断ボルト(安全ボルト)破断
- 雪詰まり
- オーガ軸の固着・ベアリング損傷
● 対処法
- 雪詰まりを棒で除去
- ベルトの状態を確認 → 必要なら交換
- せん断ボルト破断は純正部品で交換
- 異音が続く場合はオーガハウジング内のベアリング点検(整備工場推奨)
■ D. 異音や焦げ臭い場合
● 原因
- ベルト摩擦、異物巻き込み
- オーガ軸やギアの摩耗
- オイル漏れや電装ショート
● 対処法
- 異物除去
- 焦げや摩耗のある部品は交換
- 使用前に必ず冷却と清掃
- 異常が改善しない場合は整備工場へ
◆ 3. 点検チェックリスト
- 燃料の有無と劣化状態
- プラグ・キャブの状態
- ベルト(走行・オーガ)の摩耗・位置
- クラッチ・デフの操作状態
- オーガ内部の詰まりや異物
- 焦げ臭いや異音の有無
- バッテリー(セル式)の電圧
少しでも異常がある場合は、無理に使用せず整備が必要です。
◆ 4. 再発防止策
- 使用後は雪・氷・ゴミを除去し乾燥
- ベルト・クラッチ・ワイヤーを定期点検
- キャブレターやプラグの清掃
- バッテリーは冬季室温保管、寿命をチェック
- 異物の巻き込みや湿雪での過負荷を避ける
💡 まとめ
- 「動かない」は原因別に分けて確認することが重要
- 原因は「エンジン系」「走行系」「オーガ系」「摩耗・異音系」のいずれか
- 安全停止 → 点検 → 部品交換・調整 → 再始動の順で対応


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