潟上市(秋田県)におけるクマ(主に ツキノワグマ)の状況・リスク・対策について
秋田県潟上市において、クマの出没・遭遇可能性、出没の多い時期、危険性、駆除の是非、そして具体的な対策をできるだけ詳細に整理します。
1. 潟上市にクマはいるのか?
潟上市でもクマの出没・目撃情報が確認されています。
- 潟上市の公式サイトに「ツキノワグマ出没に関する警報・注意喚起」が掲載されています。
- 具体的な目撃事例として、2025年7月17日午前10時45分頃、「道の駅しょうわ」(潟上市昭和豊川竜毛字山の下)敷地内で体長約1.5 mのクマ1頭が目撃されています。
- また、2025年7月26日早朝には潟上市天王江川上谷地でクマの出没が報じられています。
- さらに、潟上市の「鳥獣被害防止計画」等において、クマを含む鳥獣の被害防止・住民啓発が明記されており、地域としてクマ対策が必要な状況であることを認識しています。
これらから、潟上市は「クマが生息しない・出ない地域」とは言えず、クマの出没可能性が明らかにある地域と考えるべきです。
2. 多い時期・出没が増える時期はいつか?
潟上市に限定した細かな統計は少ないですが、秋田県全体ならびに潟上市の事例から、出没リスクが高まる時期・条件を整理します。
- 潟上市公式の注意喚起では「令和7年5月8日から11月30日まで“ツキノワグマ出没警報”を延長発令中」とあります。目撃情報が出ているのは 7月中(7月9日、7月26日など) です。
- 秋田県全体の資料では、山の実り(ドングリ・ナラ・ブナなど)が少ない年・条件で、クマが人里に出やすくなるという指摘があります。
結論として、潟上市では 夏~秋(特に7月~10月頃) がクマの出没・人里接近のリスクが高まる時期と捉えておいたほうがよいでしょう。また、警報期間からも「春(5月)~晩秋(11月)にかけて警戒が必要」という流れが示されています。
3. 危険なのか?どれくらい危険か?
はい、クマが出没する地域では相応の危険性があります。潟上市でも以下のような点で警戒が必要です。
- 潟上市では「住宅地に近い林・丘陵・農地近く」でもクマが目撃されており、山奥だけの現象ではなく日常圏にも関わる可能性があります。
- 農作物・果樹・生ごみ・飼料などを餌源として人里近くに出るケースがあり、「クマが人里を“餌場”と学習してしまう」とリスクが高まると指摘されています。
- 潟上市の事例では、道の駅という人の活動のある施設敷地内で目撃されており、人との接触可能性がゼロではありません。
- 出没・遭遇時には、特に子連れの母グマや「人を恐れない」個体なら攻撃リスクが高まるという、秋田県の生態資料もあります。
これらを踏まると、潟上市においても「クマとの遭遇=軽視できない状況」であり、特に農作業・里山・住宅近辺・朝夕の活動時などには注意が必要です。
4. 駆除(捕獲・処分)すべきか?その考え方
クマの駆除は一概に「すぐ行うべき」というわけではなく、状況に応じて慎重に検討されるべきです。潟上市でも以下のように位置付けられています。
- 潟上市公式では、被害が懸念される場合には「県の有害鳥獣捕獲許可を得て、猟友会による箱わな設置・駆除も迅速に実施する」と記されています。
- つまり、まずは「被害が出る可能性」「人里に常習的に出没しているか」「人を恐れず住宅地・施設に侵入しているか」などを基に、駆除の必要性が判断されるという流れです。
- また、駆除を行うにあたっては「クマを引き寄せる原因(餌・果実・ごみ・隠れ場など)を放置しない」ことが前提とされています。駆除だけでは問題が解決しないという指摘もあります。
従って、潟上市での結論としては、「常態的に人里に出て被害が出ているクマ」「人身事故や重大な損害が発生している状況」の場合には駆除を検討すべきですが、まずは予防対策・環境整備・住民の注意喚起が前段階として重要です。
5. 潟上市で有効な対策
潟上市にお住まいの方、農業・果樹・山林・住宅近くを活動フィールドとする方に向けて、具体的な対策を整理します。
(A) 住宅・集落・農地周辺
- 果樹・実のなる木(柿・クリ・ドングリなど)や収穫間近・収穫後の農作物を放置せず、速やかに収穫・撤収する。
- 生ごみ・飼料・ペットの餌・米ぬかなど、クマの餌となるものを屋外に無防備に出さない。密閉保管または屋内保管。
- 物置・車庫・倉庫・空き家など、クマが侵入可能な構造物の扉・窓を閉め、夜間・早朝の無人時間帯には特に注意。
- 農地・果樹園の周囲に「電気柵・防獣柵・ネット柵」の導入を検討。特に出没情報が出ている地域では優先。
- 藪・草・林縁部の草刈りや刈払を行い、見通しを確保。クマが隠れやすい環境を減らす。
- クマ目撃・痕跡(足跡・糞・食害)を見たら、速やかに市役所農林水産振興課・警察・地域自治体へ通報・共有。潟上市では目撃通報窓口が明記されています。 (片上市ホームページ)
(B) 山・林・里山・野外活動時
- 鈴・ラジオ・音の鳴る装置を携帯し、散策・山菜採り・キノコ採り・林縁作業時には「人がいる」ことを知らせながら行動する。秋田県の資料でも強く推奨されています。
- 単独行動を避け、複数人で行動する。見通しの悪い藪・谷筋・暗い時間帯(明け方・夕暮れ)は特に警戒。
- 食べ物・残飯・匂いの強いものを山中に放置しない。クマが「人が残すもの=餌だ」と学習しないようにする。
- 出没情報・入山注意区域・警報発令中などを事前に確認する。例えば「クマダス」など目撃マップを活用。
- クマに遭遇した場合の対応をあらかじめ知っておく:慌てず後ずさり、背を向けて走らない、子グマを見かけても近づかないなど。潟上市公式でも細く手順が示されています。
7. 潟上市住民・関係者に向けて特に知っておいてほしいポイント
- 「平野部・田園地帯だからクマは来ないだろう」と安易に考えず、すでに市内で敷地内・施設近くでの目撃実績があるため、日常生活圏でも注意が必要です。
- 果樹・収穫・農作物が関連する時期(特に夏~秋)は「クマの動きが活発になる可能性が高い時期」であると意識を持つこと。
- 目撃・侵入・被害が出たら「すぐ通報・共有」を。地域で「このクマがこのあたりを通っていた」という情報を住民で共有することが、次の被害を防ぐ上で重要です。
- 駆除だけでは安心できず、「クマを引き寄せない・遭遇しない環境づくり」が長期的な安全確保には不可欠です。
- 市・県が提供する「クマ出没情報」「警報・延長通知」「目撃マップ(クマダス)」をこまめに確認し、最新情報を把握しておくことが得策です。
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