以下は東北・飯豊山（飯豊連峰、山形・福島・新潟にまたがる山域）におけるツキノワグマの出没状況、危ない季節、危ない場所を実務目線でまとめた詳解です。
飯豊山にクマは出没する？多い？
- 出没します。 飯豊連峰は東北屈指の原生的な山域で、山麓〜中腹にかけて広大なブナ・ミズナラ林とササ帯が連続します。これはツキノワグマの典型的な生息環境で、痕跡・目撃は珍しくありません。
- 体感の密度は**「中〜やや多い」**。人里から遠い深山である一方、登山者の行動範囲（登山道・沢沿い・避難小屋周辺）とクマの採餌域が重なるため、遭遇確率はゼロになりません。
- 主なリスクは樹林帯のアプローチ区間。稜線や高山帯は相対的に少なめですが、森林限界を出入りする付近は要注意です。
危ない季節（理由つき）
- 春（4〜6月）
冬眠明けで体力回復期。雪解けの進む低〜中標高の沢沿い・新緑帯で新芽・山菜・昆虫を求めて広く移動。残雪期・山開き直後の登山と重なり、鉢合わせリスクが高まります。 - 夏（7〜8月）
ベリー類や草本、アリを狙い樹林帯や水場で活動。暑い日中は動きが鈍くても、早朝・夕方は活発。ガスや沢音で互いに気づきにくい時間帯は要警戒。 - 秋（9〜11月）
最も危険。 冬眠前の“食い込み”で行動範囲が最大化。ブナ実・ドングリ、ナナカマド、ヤマブドウ、クリなどに引き寄せられ、山腹〜山麓、林道・登山口・キャンプ地にも現れやすくなります。 - 冬（12〜翌3月）
基本は冬眠で遭遇は稀。ただし暖冬や餌事情で活動が遅れる個体が皆無ではありません。
危ない場所（典型パターン）
- ブナ・ミズナラ主体の広葉樹林帯
秋は採餌が集中。登山道・作業道・尾根の鞍部など人の通り道と重なりやすい。 - 沢沿い・湧水周り・湿地縁
水場は“通り道＋採餌ポイント”。沢音で声や鈴が届きにくく、カーブ・段差の直後で近距離の鉢合わせが起きがち。 - ササ薮・藪化したトラバース路
視界が悪く、風や流水音で相互認知が遅れます。休憩や行動食は見通しの利く場所で。 - 登山口・林道・避難小屋・キャンプ地周辺
食べ物やゴミの匂いが誘因。夜明け前・夕暮れは特に立ち寄りやすい。 - 山麓の農地・果樹園の縁
秋は作物被害が出やすく、人里近くでも動きが増えます。
近くにクマがいる“サイン”（見たら撤退検討）
- 新しい糞（木の実の殻・種が目立つ）、大きな足跡。
- 樹皮の爪痕・擦り跡、木に付着した毛。
- 蟻塚破壊・倒木めくり・地面の掘り返し（昆虫・根茎狙い）。
- 強い獣臭、不自然な静けさ（鳥の声が急に止む等）。
まとめ（実務ポイント）
- 飯豊山（飯豊連峰）はツキノワグマの確実な生息域で、出没は樹林帯中心に中〜やや多め。
- 高リスク季節は春（冬眠明け）と秋（冬眠前）。夏も早朝・夕方や水場に注意。
- 危ない場所は広葉樹林帯・沢沿い・藪の登山道・登山口／林道／避難小屋周辺・山麓の農地縁。
- 単独・無音行動・薄明時間帯・食料管理不備でリスク増。**新しい痕跡を見たら進入をやめる（経路変更・撤退）**のが基本です。
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