酷暑の中での洗濯物干しは、短時間の軽作業に見えても、熱中症や日射病のリスクがあり、注意が必要です。とくに日当たりの良いベランダや屋外では、照り返しや無風状態で体温が急上昇することがあります。
以下に、「酷暑の中で洗濯物を干しても安全かどうか」、安全に行うための対策、中止や延期すべき判断基準を詳しく解説します。
■ 酷暑の中で洗濯物干しは安全か？
▶ 結論：
短時間であれば可能だが、条件と体調に注意する必要があります。
気温35℃以上やWBGT（暑さ指数）28℃を超える状況では、日なたでの洗濯物干しはリスクが高く、注意して行うべき作業です。特に高齢者、体力に自信のない方は無理をしてはいけません。
■ 洗濯物干しで起こりうるリスク
| リスク | 内容 |
|---|---|
| 熱中症 | 直射日光と照り返しにより、短時間でも体温が急上昇する |
| 脱水症状 | 汗をかいても自覚がなく、水分不足になりやすい |
| 立ちくらみ・めまい | 急な温度差で血圧が下がり、転倒の危険性も |
| 火傷・熱傷 | 金属製の物干し竿やハンガーが高温になっている場合がある |
■ 安全に洗濯物を干すための対策
① 時間帯の選定
- 早朝（5時〜8時頃）または夕方（18時以降）に干すのが最も安全
- 太陽が高くなる10時〜16時の作業は極力避ける
② 場所と環境の工夫
- 日陰や風通しの良い場所（屋内干し・サンルーム・軒下）を活用
- ベランダの場合は床が熱くなるためサンダルを着用
- 照り返しが強い場所では、すだれやシェードで日差しを遮る
③ 服装と熱対策
- 通気性があり、明るい色の長袖＋帽子＋UVカットメガネがおすすめ
- 首に濡らしたタオルやネッククーラーを巻くと体感温度を下げられる
- 軍手をして熱い金属ハンガーやピンチに素手で触れないようにする
④ こまめな水分補給
- 作業の前後にコップ1杯の水分を必ずとる
- 室内と屋外を行き来する場合も油断せず、熱のこもりに注意
⑤ 短時間で済ませる工夫
- 洗濯物を屋内でハンガーにセットしてから外に出る
- 一度にたくさん持ち運ばず、2〜3回に分けて短時間で済ませる
- ピンチハンガーなどを活用して「干す→吊るす」の動作を減らす
■ 洗濯物干しを避けるべき状況・判断基準
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| WBGT 28℃以上 | 厳重警戒レベル。長時間の屋外作業は避ける |
| WBGT 31℃以上 | 危険レベル。短時間でも屋外作業は原則中止が望ましい |
| 気温35℃以上＋無風・直射日光 | 熱中症・熱射病リスクが高いため、早朝か室内干しに変更 |
| 体調不良・寝不足・空腹時 | めまいや立ちくらみが起こりやすくなるため避ける |
■ 代替案：無理せずできる洗濯物干しの工夫
| 方法 | 内容 |
|---|---|
| 室内干し（除湿器・扇風機併用） | 熱中症のリスクなし＋乾燥効率も向上 |
| サーキュレーターを使った時短干し | 室内でもしっかり風を当てて時短可能 |
| 洗濯乾燥機を活用 | 最も安全で体力も使わず、特に高齢者にはおすすめ |
| 夜干し | 気温が下がった時間帯に静かに作業できる（防犯には注意） |
■ まとめ：酷暑下の洗濯物干しは慎重に判断を
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 安全性 | 短時間でも熱中症リスクあり。油断しないことが大切 |
| 実施条件 | 早朝か夕方以降に限定。真昼の作業は避ける |
| 必須対策 | 服装・帽子・水分補給・短時間作業・日陰の活用 |
| 判断基準 | 「ちょっと暑い」と感じたら室内干しへ切り替え |
| 高齢者・体調不良の方 | 無理をせず、洗濯乾燥機や家族の協力を活用すべき |
✅ 最後にひとこと：
洗濯は毎日の家事ですが、命に関わるリスクを背負ってまで行うべきではありません。
天気が良い日でも、**“暑すぎる日は室内干し”**を選ぶのは立派な判断です。
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