【静岡】しらすが不漁なのは何故なの?今後回復する見込みはある?【生しらす・釜揚げ】

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しらす(主にカタクチイワシやマイワシの稚魚)が不漁になる要因は、自然環境の変動と人間活動の影響が複雑に絡み合っています。また、将来的に回復するかどうかは、その要因の改善状況や自然の回復力に大きく左右されます。以下に詳しく解説します。




1. しらす不漁の主な要因

a. 海水温の変化(海洋環境の異常)

しらすは非常に繊細な生物で、海水温が1~2度変わるだけでも生息状況が大きく変わります。
特に、産卵からふ化までの時期や、稚魚の成長期に水温が適していないと、次のような悪影響が起きます:

孵化率の低下

プランクトン(餌)の減少

生息場所の移動(日本近海から離れる)


最近は地球温暖化の影響で黒潮の流れが変わったり、海水温が平年より高くなることが多く、これがしらすの生息環境に影響しています。




b. 親魚(成魚)の減少

しらすは稚魚なので、当然ながら親となるイワシなどの資源状況に依存します。
近年、親魚の数が減っている原因としては:

漁獲圧(取りすぎ)

海洋環境の悪化(酸素濃度の低下など)

産卵場の変化や減少


親魚が減れば産卵数も減り、それに伴ってしらすの漁獲量も減少するのは自然な流れです。




c. プランクトンの減少

しらすはプランクトンを主な餌としていますが、海の栄養状態(栄養塩)によってプランクトンの量も大きく変動します。

海流の変化によって栄養が届かなくなる

河川から流入する栄養分が減る(都市化・護岸工事の影響)

海洋の表層と深層が混ざらなくなる(成層化)ことで、栄養の循環が滞る


こうした変化によって餌となるプランクトンが減少すると、しらすは十分に成長できず、生存率が低下します。




d. 天敵や外敵の影響

しらすは小さくて弱い魚なので、捕食者(大きな魚や海鳥、クラゲ)による影響も大きいです。

特に海水温の上昇などで外来種やクラゲが増えると、しらすの生息が脅かされることがあります。クラゲはプランクトンを大量に食べるため、間接的にもしらすに影響を与えます。




2. しらすはいつか回復するのか?

a. 自然の回復力に期待できる面もある

しらすは成長が早く、1~2年で世代交代するため、環境さえ整えば数年で資源が回復する可能性があります。
過去にも、数年間不漁が続いた後に突然豊漁となるケースは何度かありました。

これは、次のような要因が改善された場合に起こります:

海水温の平年回帰

親魚の回復

栄養塩の増加によるプランクトンの増加

海流の安定化


自然環境は年によって波があるため、急激に好条件が揃う年もあり、そのときに一気に資源が回復することもあります。




b. 回復には人間の取り組みも重要

自然に頼るだけでなく、以下のような人間の努力によって回復を後押しできます。

漁獲制限(休漁や漁期の短縮)  資源を守るために、しらすの漁獲量を制限する取り組み。

海の森・干潟の保全  藻場や干潟の保護・再生を行うことで、海の栄養環境を整える。

河川環境の改善  海に注ぐ川の水質や流れを改善して、栄養塩の流入を促す。


こうした取り組みが長期的に続けば、しらす資源の安定につながる可能性があります。




まとめ

しらすが不漁になる原因は、主に以下の通りです:

海水温の変化や海流の異常

親魚の減少

プランクトンの減少

捕食者の増加


回復する可能性はありますが、それは自然環境が改善し、同時に人間の管理や保全努力が適切に行われた場合に限ります。しらすは環境変化に敏感な資源ですが、その分、回復も早いという性質を持っています。だからこそ、「今守ること」が未来の豊漁につながるといえます。

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