メタンガス(CH₄)の爆発危険濃度とは、空気中に含まれるメタンの割合が一定の範囲内になると、点火源があれば爆発が起こる可能性があるということを意味します。これは「可燃性ガス」の性質として、非常に重要なポイントです。
🔥 メタンガスの爆発危険濃度(爆発限界)
限界の種類 | 濃度(空気中) | 意味 |
---|---|---|
下限界(LEL) | 約 5 vol% | これ未満では燃えない・爆発しない(空気が多すぎる) |
上限界(UEL) | 約 15 vol% | これを超えると酸素が足りず爆発しない(ガスが多すぎる) |
したがって、空気中におけるメタンの濃度が5〜15%の間にある場合、
- 周囲に**点火源(火花、静電気、タバコなど)**があると、
- **爆発(フラッシュ火炎や大規模火災)**を引き起こす可能性があります。
📌 なぜこの範囲で爆発が起きるのか?
爆発には3つの要素が揃う必要があります:
- 可燃物(=メタン)
- 酸素(空気中に含まれる)
- 点火源(火花や熱など)
メタンの濃度が5%未満だと、メタンが少なすぎて燃える反応が起こらず
15%を超えると、酸素が足りなくて燃焼が持続しません。
この「ちょうどよい濃度範囲」が爆発危険濃度なのです。
🧪 例:どれくらいの量で危険?
- 家庭用ガスコンロなどでガス漏れがあって、部屋の空気が5%ほどメタンになった場合、 → 火をつけると一瞬で爆発やフラッシュ火炎が起きる危険性があります。
- 密閉された地下室や換気の悪い倉庫などでは、知らないうちに濃度が爆発範囲に達していることもあるため、ガス検知器が重要です。
🚨 実際の対策現場ではどうしているか?
- ガス検知器の設定では、多くの装置が爆発下限界の10〜20%程度で警報を出すように設定されています(=0.5%〜1%)。
- 実際の爆発を防ぐには、5%になる前に強制換気・避難などの対応をするのが一般的です。
✅ まとめ
項目 | 内容 |
---|---|
爆発下限界(LEL) | 約 5 vol% |
爆発上限界(UEL) | 約 15 vol% |
爆発が起こる範囲 | 5〜15%の空気中濃度の時 |
注意点 | 密閉空間・換気不良時に要警戒/点火源の排除が重要 |
対策 | ガス検知器の設置/濃度管理/十分な換気 |
メタンは一見無害にも見えるガスですが、「濃度」と「点火源」がそろえば爆発リスクは非常に高いです。扱う環境や周囲の管理に十分な注意が必要です。
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