携帯ショップで「未成年なのでフィルタリングを設定してほしい」と頼んだのに対応してもらえなかった場合でも、そこで終わりではありません。多くの場合、保護者が自宅で設定できます。
ただし、最初に重要なのは、「携帯会社のフィルタリング」と「iPhone・Android本体のペアレンタルコントロール」は別物だという点です。両方を組み合わせると、かなり強固な環境にできます。
1. そもそも未成年のフィルタリングとは?
未成年者がスマートフォンを利用する場合、
- 有害・成人向けサイト
- 出会い系・マッチング系サービス
- 危険性の高いSNS
- 不適切なアプリ
- 不適切な動画・ゲーム
- アプリ内課金
- 長時間利用
などを制限するための仕組みです。
携帯電話会社が提供する「あんしんフィルター」系サービスでは、Webサイトやアプリの利用を制限したり、利用時間帯を設定したりできます。
例えばauの「あんしんフィルター for au」では、小学生・中学生・高校生・高校生プラスという4段階のフィルタリングレベルが用意されています。
2. 携帯ショップで設定してくれなかった場合、まず確認すること
「設定してくれなかった」といっても、原因はいくつか考えられます。
例えば、
- フィルタリングサービスの申込みが済んでいない
- 保護者の本人確認が必要
- 未成年者本人の端末設定が必要
- Apple Account・Googleアカウントの設定が必要
- iPhoneとAndroidで設定方法が違う
- 携帯会社のサービス対象外の端末
- SIMだけ契約していて端末を別途購入している
- 既に別のフィルタリングサービスを利用している
- ショップ側では端末設定まで対応しない
などです。
したがって、まず契約している携帯会社に、
「未成年者が使用する端末なので、フィルタリングサービスの申込み状況と、自宅で設定するために必要な手続きを教えてください」
と確認するのが確実です。
3. 「ショップが設定しない=フィルタリング不要」ではない
ここは非常に重要です。
ショップで設定されなかったからといって、
「じゃあフィルタリングなしで使わせればいい」
とは考えない方がいいでしょう。
むしろ、
ショップでできなかった部分を保護者が設定する
という考え方が適切です。
携帯会社自身も、保護者が管理者として設定する方式を案内しています。
例えばauでは、初期設定と管理者登録を行い、その後は保護者が管理者ページから設定変更する仕組みになっています。
ソフトバンクも、保護者が子どものスマートフォンで初期設定を行い、保護者を管理者として登録することを案内しています。
4. まず「携帯会社のフィルタリング」を設定する
携帯会社が提供している場合は、まずこれを確認します。
代表的なのが、
- ドコモ「あんしんフィルター for docomo」
- au「あんしんフィルター for au」
- ソフトバンク「あんしんフィルター」
などです。
携帯会社によって細かい手順は異なります。
5. ドコモの場合
ドコモには「あんしんフィルター for docomo」があります。
Androidの場合、子どものスマートフォンにアプリを設定し、
- あんしんフィルターを起動
- 「子どものスマホ」を選択
- 必要な権限を許可
- 管理用パスワードを設定
- フィルタリングレベルを設定
- アプリの許可・制限を設定
という流れになります。
さらに保護者アカウントを登録すると、保護者のスマートフォンやパソコンから設定変更ができます。
これはかなり重要です。
子どものスマホだけで管理するのではなく、
親の端末から管理できる状態
にしておくのがおすすめです。
6. ドコモAndroidなら「小学生・中学生・高校生」などから選べる
ドコモの「あんしんフィルター for docomo」では、
- 小学生
- 中学生
- 高校生
- 高校生プラス
などの基準からフィルタリングレベルを選択できます。
例えば小学生なら、最初は強めの設定にしておき、
必要なサイトだけ保護者が個別に許可する、
という運用もできます。
実際、保護者がURLを確認して個別に許可する機能も用意されています。
7. auの場合
auにも「あんしんフィルター for au」があります。
基本的な流れは、
①初期設定
↓
②管理者登録
↓
③フィルタリングレベル設定
↓
④必要に応じて利用時間・アプリなどを設定
です。
auは、保護者が管理者登録することで、管理者ページから、
- フィルタリングレベル
- Webサイトの許可・規制
- アプリの許可・規制
- 利用時間帯
などを管理できると案内しています。
8. ソフトバンクの場合
ソフトバンクにも「あんしんフィルター」があります。
利用開始には、
初期設定+管理者登録
が必要です。
ソフトバンクの場合も、管理者サイトから、
- フィルター強度
- Webサイト
- アプリ
- 利用状況
などを管理できます。
9. iPhoneなら「スクリーンタイム」も必ず使う
ここはかなり重要です。
iPhoneの場合、
携帯会社のフィルタリングだけに頼る必要はありません。
Apple純正の、
「スクリーンタイム」
を利用できます。
Appleは、ファミリー共有を利用して、保護者が子どものiPhoneについて、
- Webコンテンツ
- アプリ
- アプリ利用時間
- 購入
- コミュニケーション
- コンテンツ
- プライバシー設定
などを管理できるようにしています。
10. iPhoneの基本設定
子どものiPhoneで設定するなら、
設定
↓
ファミリー
↓
子どものアカウント
↓
スクリーンタイム
という流れです。
Appleの現在の案内でも、この方法で子どものスクリーンタイムを設定できます。
11. 「コンテンツとプライバシーの制限」をオンにする
次に重要なのが、
コンテンツとプライバシーの制限
です。
ここでは、
- アプリの年齢制限
- App Store
- アプリ内課金
- Webコンテンツ
- メディア
- 各種設定変更
などを制限できます。
特に、
アプリのインストール・削除・課金
を保護者の管理下に置くことが重要です。
12. iPhoneではWebコンテンツを制限する
かなりシビアに設定するなら、
Webコンテンツ
を確認します。
子どもの年齢に応じて、
- 成人向けWebサイトを制限
- 許可するWebサイトだけにする
などの設定ができます。
特に低年齢の子どもなら、必要に応じて許可サイトを限定する方式も検討できます。
ただし、学校・学習・行政など必要なサイトまでブロックされる可能性があるため、実際の利用状況を見ながら調整します。
13. iPhoneはアプリのインストールにも制限をかける
子どものスマホで怖いのは、
Webサイトだけではありません。
App Storeから、
- SNS
- チャット
- ゲーム
- 動画アプリ
- 出会い系・マッチング関連アプリ
- 課金アプリ
などを入れることもできます。
Appleでは、アプリのインストール・削除やアプリ内課金について制限を設定できます。
さらにファミリー共有の「承認と購入のリクエスト」を使えば、子どもの購入・無料ダウンロードについて保護者の承認を必要にできます。
14. AndroidならGoogle「ファミリー リンク」が強力
Androidなら、
Google ファミリー リンク
を併用するのがおすすめです。
Googleの公式機能として、
- アプリ管理
- 利用時間
- アプリごとの利用時間
- Google Playのコンテンツ制限
- デバイス管理
などができます。
15. Androidのアプリを保護者側から管理する
ファミリー リンクでは、
子どもを選択
↓
利用時間
↓
利用時間の制限
↓
アプリの利用制限
から、特定アプリの利用時間を設定できます。
例えば、
YouTube=1日30分
ゲーム=1日45分
などのように管理できます。
また、特定のアプリをブロックすることもできます。
16. Google Playの年齢制限も設定する
Androidでは、
Google Play側のコンテンツ制限
も重要です。
ファミリー リンクから、
管理 → Google Play
などを通じて、アプリ・ゲーム・映画・テレビ番組・書籍などの年齢に応じた制限を設定できます。
ただし、Google自身が説明しているように、Google Playのコンテンツ制限だけでは検索結果や直接リンク経由のコンテンツまで完全に防げるわけではありません。
だからこそ、
携帯会社のフィルタリング+ファミリー リンク
という多重防護が有効です。
17. 「利用時間制限」も設定する
フィルタリングというと、
有害サイトを見せない
ことばかり考えがちですが、
スマホ依存・長時間利用対策
も重要です。
例えば、
平日
6:30~21:30
休日
7:00~22:00
のように利用可能時間を決める方法があります。
Google ファミリー リンクでは、曜日ごとの1日の利用時間上限や休息時間を設定できます。
18. 「夜間は完全に使用不可」にするのも有効
例えば、
22:00~翌6:30
はスマホをロックする。
という運用です。
特に、
- 夜中にSNSを使う
- 深夜まで動画を見る
- オンラインゲームをする
- 知らない人とチャットする
といった問題を防ぎやすくなります。
ただし、緊急連絡や家族との連絡など、必要な機能まで制限しないよう調整します。
19. かなり厳格に設定するなら「三重構造」
私なら、未成年者のスマホをかなり慎重に管理する場合、
第1層
携帯会社のフィルタリング
↓
第2層
iPhoneのスクリーンタイム / Androidのファミリー リンク
↓
第3層
家庭内ルール
という3段構えにします。
これが重要です。
20. 家庭内ルールも決める
技術的なフィルタリングだけでは不十分です。
例えば、
①知らない人からDMが来ても返信しない
②個人情報を送らない
③顔写真・学校名・住所などを公開しない
④知らないURLを開かない
⑤お金を要求されたら親に相談する
⑥オンラインゲームで知り合った人と直接会わない
⑦困ったら怒られないので親に見せる
などです。
特に最後が重要です。
子どもが、
「怒られるから親に言えない」
と思ってしまうと、問題が深刻化する可能性があります。
21. ショップが設定してくれなかった場合の現実的な手順
おすすめは次の順番です。
STEP1
携帯会社に電話・オンラインで、
「未成年者利用のフィルタリングサービスが契約上どうなっているか」
確認。
STEP2
必要ならフィルタリングサービスを申し込む。
STEP3
子どものスマホにフィルタリングを設定。
STEP4
保護者を管理者として登録。
STEP5
保護者のスマホから管理できることを確認。
STEP6
iPhoneならスクリーンタイム。
Androidならファミリー リンク。
STEP7
アプリ・Web・利用時間・課金を設定。
STEP8
子どもにルールを説明。
STEP9
1~2か月に一度程度、設定を見直す。
22. 「フィルタリングを設定したから安心」ではない
ここはかなり重要です。
フィルタリングは、
すべての危険を100%排除するものではありません。
例えば、
- 新しいSNS
- 新しいアプリ
- VPN
- 別ブラウザ
- ゲーム内チャット
- DM
- 動画コメント
- 外部サイトへのリンク
- 他人の端末
など、フィルタリングだけでは完全に制御できない場合があります。
したがって、
フィルタリング=完全防御
ではありません。
23. 特に注意したいのがVPNなど
子どもが制限を回避しようとして、
VPN・別ブラウザ・別アカウント
などを利用する可能性があります。
そのため、
「フィルタリングアプリを入れたから終わり」
ではなく、
端末側の設定変更・アプリ追加・アカウント変更なども保護者が管理する
ことが重要です。
24. iPhoneなら「スクリーンタイムのパスコード」が重要
子ども自身が、
スクリーンタイムの制限を解除できてしまう
状態では意味がありません。
そのため、保護者だけが管理できるパスコードを設定します。
Appleもファミリー共有を利用する場合、保護者の端末から子どものスクリーンタイムを管理する方法を案内しています。
25. Androidなら「親のGoogleアカウント」で管理する
Androidでは、子どものGoogleアカウントをファミリー リンクで管理することで、
親側から設定変更
できるようにするのが重要です。
ファミリー リンクでは、利用時間・アプリ・Google Playなどを保護者側から管理できます。
26. かなり厳しくする場合の設定例
例えば小学生程度なら、 項目 設定例 Web 成人・危険サイトを強く制限 アプリ 年齢制限を厳しめ 新規アプリ 保護者承認 課金 保護者承認 SNS 原則必要なものだけ 利用時間 平日1~2時間程度から検討 夜間 使用不可 DM 利用するサービスを限定 個人情報 家庭ルールで禁止 設定変更 保護者のみ VPN等 勝手に導入しないルール 定期確認 月1回程度
ただし、年齢、学校での必要性、本人の成熟度によって調整してください。
27. 逆に「厳しすぎる設定」にも注意
何でも禁止すればいいわけではありません。
例えば、
学校の連絡アプリまでブロック
学習サイトまでブロック
家族との連絡まで制限
となると、実用上問題が出ます。
したがって、
危険なものは原則ブロックし、必要なものだけ保護者が許可する
という方式が使いやすいです。
ドコモの「あんしんフィルター」でも、保護者が個別URLを確認して許可したり、アプリを個別に許可したりする機能があります。
28. もしショップが「設定できない」と言った場合
ここでは、
「設定できない」
の意味を確認してください。
例えば、
「ショップでは操作サポートできません」
なのか、
「この端末ではサービス自体が利用できません」
なのか、
「フィルタリングの申込みが必要です」
なのか、
「保護者自身で設定してください」
なのかで対応が全く違います。
ショップで聞くなら、
「この端末で利用可能な未成年者向けフィルタリングサービスの名称と、自宅で設定するための公式マニュアルを教えてください」
と聞くのがかなり具体的です。
29. 最終的には「ショップ任せ」にしない方がいい
未成年のスマホについては、
ショップで一度設定してもらって終わり
ではなく、
保護者自身が管理方法を理解しておく
ことをおすすめします。
子どもが成長すると、
- 新しいアプリ
- SNS
- ゲーム
- 動画
- Webサービス
が増えます。
そのたびに設定を変更する必要があるからです。
実際、ソフトバンクも子どもの成長や利用状況に応じてフィルタリング設定を確認・見直すことを推奨しています。
まとめ
携帯ショップで未成年者のフィルタリング設定をしてくれなかった場合でも、保護者が自分で設定できます。
特におすすめなのは、
携帯会社のフィルタリング + iPhoneならスクリーンタイム + AndroidならGoogleファミリー リンク + アプリ・課金・利用時間の制限 + 家庭内の利用ルール
という多重構造です。
iPhone
あんしんフィルター等 + ファミリー共有 + スクリーンタイム + コンテンツとプライバシーの制限 + 承認と購入のリクエスト
が基本です。
Android
あんしんフィルター等 + Googleファミリー リンク + Google Playの年齢制限 + アプリ利用時間 + 端末利用時間
という組み合わせが有効です。
そして一番大切なのは、**「ショップが設定してくれなかった=フィルタリングなしで使わせる」ではなく、「保護者が管理者になって設定する」**という考え方です。


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