アブは、屋外活動をしていると人や家畜にまとわりつき、ときに刺してくることで知られる昆虫です。ここでは、生物学的特徴から生活史、人との関係まで網羅的に解説します。
アブとは
アブは、
アブ科
に属する**ハエ目(双翅目)**の昆虫の総称です。
- 世界:約4,000種以上
- 日本:約100種以上
一般的に「アブ」と呼ばれるのは、主に次の仲間です。
- ウシアブ類
- アカウシアブ類
- キンイロアブ類
- シロフアブ類
見た目はハエに似ていますが、体が大きく、力強く飛ぶのが特徴です。
アブの基本的な特徴
① 大きさ
体長は種類によって異なります。
- 小型:10mm前後
- 大型:25mm以上
大型種はスズメバチほどではないがかなり迫力があるサイズです。
② 体の特徴
主な特徴
- 大きな複眼
- がっしりした体
- 太く短い触角
- 強い飛翔力
複眼は非常に発達しており、動くものをよく感知します。
③ 色
種類により様々です。
例
- 黒
- 茶色
- 黄褐色
- 金色
一部の種は**蜂に似た模様(擬態)**を持ちます。
アブとハエ・ハチの違い
混同されやすい昆虫との違い。
| 昆虫 | 特徴 |
|---|---|
| アブ | ハエの仲間、血を吸う種あり |
| ハエ | 多くは吸血しない |
| ハチ | 針で刺す |
重要な違い
- アブは針を持たない
- 口で皮膚を切って吸血する
このため、刺された痛みはかなり強いです。
吸血するのはメスだけ
アブの特徴の一つがこれです。
メス
血を吸う
(卵の発育のため)
オス
花の蜜などを食べる
つまり、人を刺すのはメスだけです。
吸血の仕組み
アブの口は次のような構造です。
- 皮膚を刃状の口器で切る
- 血液がにじむ
- 血を吸う
そのため
- 蚊より痛い
- 出血することがある
また、血が固まらないようにする抗凝固物質を分泌します。
アブの生活史(ライフサイクル)
アブは完全変態をします。
- 卵
- 幼虫
- 蛹
- 成虫
卵
メスは
- 水辺
- 湿地
- 草の葉
などに卵を産みます。
卵は数十~数百個の塊になります。
幼虫
幼虫は
- 土の中
- 湿地
- 水辺
に生息します。
特徴
- 細長い体
- 捕食性
食べ物
- ミミズ
- 小昆虫
- 水生生物
つまり、肉食の捕食者です。
蛹
幼虫は土中で蛹になります。
この期間を経て成虫になります。
成虫
成虫の活動期
- 春〜夏
- 特に夏に多い
寿命
- 数週間〜1か月程度
アブが多い場所
アブは次のような場所に多くいます。
① 山
森林や登山道
② 川
渓流・川辺
③ 湿地
湿った土地
④ 牧場
家畜の血を吸う
特に
- 水
- 草
- 動物
が揃う場所に多いです。
人が刺される原因
アブは次のものに引き寄せられます。
① 二酸化炭素
呼吸
② 体温
③ 動くもの
④ 黒い色
特に
黒い服は狙われやすいとされています。
アブに刺された時の症状
主な症状
- 強い痛み
- 腫れ
- かゆみ
- 出血
蚊よりも炎症が強いことが多いです。
対処法
刺された場合
- 傷口を洗う
- 冷やす
- 抗ヒスタミン薬を塗る
かゆみが強い場合は
- 市販の虫刺され薬
などを使用します。
予防方法
アブ対策として有効なのは次です。
① 明るい色の服
黒を避ける。
② 虫よけスプレー
成分
- DEET
- イカリジン
③ 肌を露出しない
- 長袖
- 長ズボン
④ 動き回らない
アブは動くものを追う習性があります。
アブと人間社会
害虫としての側面
アブは
- 人を刺す
- 家畜を吸血する
ため、害虫扱いされることが多いです。
牧場では
- 牛
- 馬
のストレス原因になります。
生態系での役割
一方で重要な役割もあります。
捕食者
幼虫は
- 他の小動物を食べる
花粉媒介
一部のアブは花粉を運ぶ昆虫でもあります。
日本でよく知られるアブ
例
- シオヤアブ
- ウシアブ
- アカウシアブ
- キンイロアブ
それぞれ
- 大きさ
- 色
- 吸血性
が異なります。
似ている昆虫
アブとよく間違えられる虫。
ハチ
見た目が似ている。
ブユ(ブヨ)
吸血昆虫だが別グループ。
ハエ
吸血しない種が多い。
まとめ
アブは
- ハエ目の昆虫
- 大型で強い飛翔力
- メスだけが吸血
- 夏の山や川で多い
という特徴を持ちます。
刺されると
- 痛みが強い
- 腫れやすい
ため、アウトドアでは虫よけや服装による対策が重要です。


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