フランスが「かなり暑い」と感じられる原因と、旅行者・居住者それぞれに適した対策を詳しく解説します。
■ フランスが暑くなる原因
近年、フランスでは「猛暑(canicule)」が頻発しています。特に6月〜8月の夏は、日本と同等かそれ以上の暑さになる地域もあり、熱中症や山火事が社会問題になっています。
1. 地球温暖化による猛暑の頻発
- フランスは元々温帯性気候の国ですが、近年は異常気象により40℃前後の気温が記録されることが増加。
- 特に**南フランス(プロヴァンス、オクシタニー地方など)**はスペインに近く、夏場の気温が非常に高くなります。
2. 乾燥した空気と高い日射量
- 日本と異なり、フランスは湿度が低く、空気が乾燥しているため、気温が高くなると日差しが肌に直接突き刺さるように感じられます。
- 紫外線も強く、体感温度は非常に高くなりがちです。
3. 冷房設備が乏しい
- フランスの住宅や公共施設の多くには冷房が設置されていません(特に古い建物)。
- 「夏は涼しい」という気候を前提とした生活文化が長らく続いていたため、暑さへのインフラが整っていません。
4. 都市部のヒートアイランド現象
- パリ、リヨン、マルセイユなどの大都市では、石畳や建築物の蓄熱により、夜間でも気温が下がらないことが増えています。
■ 暑さへの具体的な対策(フランス滞在時)
1. 服装の工夫
- 通気性の良いリネン・コットン素材の服を選ぶ(ヨーロッパでも多く販売)
- 露出しすぎず、日差しから肌を守る長袖・帽子も重要
- 外は暑く、建物内は冷えることもあるため、薄手の羽織ものが便利
2. 水分補給を意識的に行う
- フランス人は「水をたくさん飲む」文化が薄い傾向がありますが、暑い時期は意識して1日1.5〜2リットルの水分補給を
- 自動販売機が少ないため、マイボトルを持参し、公園の水飲み場などを活用すると便利
3. 日差し・紫外線対策
- 日差しが非常に強いため、SPF50の日焼け止め・帽子・サングラスが必須
- 紫外線は曇りの日でも強いので油断禁物です
4. 室内の暑さ対策
- エアコンがない場合は、扇風機・濡れタオル・冷たいシャワーを活用
- 朝の涼しい時間に窓を開けて換気し、日中はカーテンを閉めて遮熱(シャッターがある家では閉め切るのが基本)
5. 暑さのピーク時間を避ける(sieste文化の活用)
- 14時〜17時は外出を避ける(日差しが最も強い時間帯)
- この時間帯は地元の人々も家で休む「シエスタ」文化があり、店が閉まることもあります
6. 冷却グッズを持参する
- 日本製の冷却シート、ハンディファン、冷感スプレーなどを持っていくと便利(現地ではあまり手に入りません)
7. 高齢者・子ども連れの場合の注意
- フランスでは2003年の熱波で高齢者を中心に約15,000人が死亡して以降、暑さ対策の意識が高まっています
- 高齢者・子どもは特に暑さに弱いため、こまめな休憩・水分補給・冷却を意識的に行う必要があります
■ フランス国内の地域別暑さ傾向
地域 | 特徴・傾向 |
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パリ | 夏は30〜38℃に達する日も。都市熱がこもりやすく夜も寝苦しいことあり |
南仏(プロヴァンス、マルセイユ) | 乾燥した猛暑。40℃を超えることもあり、森林火災も発生しやすい |
ロワール地方・アルザス地方 | 比較的過ごしやすいが、熱波時は例外なく暑くなる |
海岸部(ブルターニュ、ノルマンディ) | 海風があるため比較的涼しいことが多い |
■ まとめ
▼ フランスが暑い原因まとめ
要因 | 内容 |
---|---|
地球温暖化 | 猛暑が常態化しつつある(40℃前後も) |
乾燥+強い日差し | 紫外線が強く体感的に非常に暑い |
冷房設備の不足 | 建物にエアコンがないことが多い |
都市部の熱 | 石造りの建物が熱を蓄積し夜間も暑い |
▼ 暑さ対策まとめ
カテゴリ | 内容 |
---|---|
服装 | 通気性のよい衣服、帽子、羽織り |
水分補給 | マイボトルを携帯して意識的に飲む |
日差し対策 | 日焼け止め・サングラス・日陰の活用 |
室内環境 | 朝に換気・日中は遮光・冷却グッズ活用 |
行動時間 | 午後の外出は控え、シエスタを意識 |
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