アパートが夏場に暑くなりやすい原因は、建物の構造や設備の簡素化、立地条件などが影響しています。特に築年数が古かったり、木造・軽量鉄骨造のアパートでは、断熱性や遮熱性が低く、外気の熱が室内に伝わりやすい傾向があります。
以下では、アパートが暑くなる主な原因と、それに対する具体的かつ現実的な対策を詳しく解説します。
■ アパートが暑くなる主な原因
1. 断熱性が低い構造
- 多くのアパート(特に家賃が安い・築古物件)は断熱材が薄い、もしくは入っていないことがあります。
- 木造や軽量鉄骨造の場合、外気の温度がそのまま壁や天井から伝わりやすいです。
2. 最上階・角部屋による熱の蓄積
- 屋根や外壁からの直射日光を受ける面が多い分、熱がこもりやすい。
- 屋根がトタンや軽量鉄板の場合、特に熱を吸収しやすく、夜まで熱が残ることも。
3. 風通しの悪さ
- ワンルームや1Kアパートでは、窓が片側にしかない間取りが多く、通風が確保しづらい。
- 建物同士の間隔が狭いと、そもそも風が通らないことも。
4. 安価な窓ガラスやサッシ
- 単板ガラス(1枚ガラス)は、日差しの熱や外気温を遮断できないため、窓から熱が大量に侵入。
- アルミサッシも熱伝導率が高く、冷房効率を下げます。
5. エアコンの効きが悪い
- 古いエアコンが設置されていたり、室外機の設置環境が悪いと、部屋全体を効率よく冷やせません。
- 電気契約容量が低く、冷房+他の電化製品でブレーカーが落ちることも。
■ アパートの暑さ対策(実行しやすい順に)
対策①:窓からの熱を遮断する
● 室内側の工夫:
- 遮熱カーテン(遮光等級1級以上)やアルミブラインドを使用
- 窓に断熱フィルムやUVカットフィルムを貼る(100円ショップやDIY用品店でも入手可)
- 夜間はカーテンを開け、昼は閉めるなど日射のコントロールを行う
● 室外側の工夫(可能なら):
- 窓の外にすだれ・遮光ネット・グリーンカーテンを設置(風が通るので室内が蒸れにくい)
- ベランダや窓枠に設置できる可動式のシェードなども便利
対策②:屋根・天井からの熱を緩和する(最上階向け)
- 天井に断熱シートやアルミ断熱パネルを貼る(押しピンや両面テープで簡易施工)
- 寝る場所の真上に熱がこもっている場合は、天井から距離を取る(ベッドを低くする、すのこで床近くに寝る)
対策③:冷気を効率よく循環させる
- 扇風機やサーキュレーターをエアコンと併用し、冷気を部屋全体に循環
- 扇風機の首振りを上向きにして空気を混ぜると、冷房効率がアップ
- サーキュレーターを窓の外に向けて置き、熱気を強制的に外に排出するのも効果的
対策④:床・壁・天井の簡易断熱
- コルクマット・ジョイントマット・アルミ断熱マットを床に敷く
- 壁にスタイロフォームや段ボールを貼るなど簡易的な断熱が効果的
- 「貼って剥がせる」両面テープやマスキングテープを使えば原状回復も可能
対策⑤:室外機・エアコンの効率改善
- 室外機に直射日光が当たっているなら、日除けカバーやすのこで遮光
- フィルターを掃除して、冷房のパワーを最大限に
- ドレンホースの排水チェックも忘れずに(水が詰まると冷房効率が落ちます)
対策⑥:生活の工夫で暑さを軽減
- 調理・洗濯・掃除など熱や湿気が出る作業を朝か夜に回す
- LED照明に変更して、発熱を減らす
- 冷感敷きパッド、ジェル枕、冷風扇なども暑さ対策に有効
■ 補足:できるだけ家賃をかけずに涼しくするコツ
手段 | 効果 | コスト感 |
---|---|---|
遮光カーテン+断熱フィルム | 日射の遮断・冷房効率アップ | 数千円程度 |
扇風機で空気循環 | 冷房の効率UP・節電 | 2,000円〜 |
天井・床の断熱(マットなど) | 特に最上階で効果大 | 数千円 |
室外機の直射日光対策 | エアコンの効率UP | 1,000円前後 |
窓の外にすだれ or シェード | 室温上昇を防ぐ | 1,000〜3,000円 |
■ まとめ
暑さの原因 | 対策 |
---|---|
断熱不足(壁・屋根・窓) | 窓フィルム・遮光カーテン・断熱マット |
最上階・角部屋の直射熱 | 天井断熱シート・遮光ネット |
通気性の悪さ | サーキュレーター・換気の工夫 |
エアコンの効率低下 | フィルター清掃・室外機対策 |
家電・調理など生活熱 | LED照明・調理時間調整 |
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